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骸はまるで壊れものを扱うかのように大事に抱えソファーの上へと寝かした。
雪兎の頬を優しく撫でて愛しいものを見ているかのように寂しく笑っていた。

「雪兎…大丈夫れすか…?」

犬は沈黙に耐えきれず骸に問い掛けた。骸は大丈夫ですよと言った。

「…予想以上だったね」

『そうだね千種…。僕だけじゃどうにもならなかったよ』

いつのまにか消えた幻覚の世界、それでも残る悲鳴と残像にしばらく悩まされそうだ。

静かに眠る雪兎を見て悲しそうに優羽は笑う。
それをみた犬は「無理しないで」と優羽の手を握った。

『骸がいてくれて良かった。ありがと』

「いえ…結局僕は何も出来ませんでした」

『でも雪兎が壊れずにすんだよ?それだけで十分だ』

「クフフ…そう言ってもらえると嬉しいですよ」


骸は静かに涙を流す雪兎をずっと見つめていた。目覚めるまでずっと…。

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