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【特別版として】
たまには息抜き、ツナ視線のストーリーをお送りいたします。
『ねぇ優羽、ボクたちの出番は?』
『最後のほうにちょびっとだってさ』
『何で?』
『気まぐれだってさ管理人の』
『どうせ疲れたんでしょ?』
『さぁ?どうだろうね』
【in沢田家】
今日は静かな朝だった。いつもならまずランボとイーピンが走り回ってドタバタな朝。なのに妙に静かで爽やかな寝起き。
「オレが気をつかって追い払ってやったんだ」
「へ?」
何に気をつかうんだと思ったが寝起きで思考がまわらないオレにはどうでもよかったりする。それよりもどや顔のリボーンが何故か憎たらしく見えるのはオレが寝ぼけているからなのだろうか。
冷蔵庫から紙パックのジュースを取り出しテーブルの席につく。
「最近は獄寺や山本ばかりのパワーアップだったからな、たまにはツナのために何かしてやろーと思ってな」
「別にそんな気持ち悪い気遣いなんていらないよ…」
そう言えばこの前は山本に武器を持たせようとリボーンが何かをやっていたのを覚えている。
結局山本は野球のトレーニングとしか思っていなかったけど。
正直マフィアなんかどうでもいい、頼まれたってなりたくない。絶対死ぬから。
想像しただけでなんだか悲しくなってきた。オレは一気にジュースを喉へと通す。
「いってこい、羽をのばしてもいいぞ」
「動物園?」
目の前で紙をちらつかせた後もったいぶるように渡してきたのは動物園のチケット2枚。気持ちは嬉しいがこの年で動物園なんて微妙だ。
それに誰と行けっていうんだよ、一緒にいってくれる人間がただでさえ少ない知り合いの中にいるのだろうか。
そう考えると切なくなる。
「セッティングはしてやったぞ」
リボーンがニヤリと笑ったことに少し疑問を感じたがピーンポーンと鳴ったチャイムに気を取られすぐに忘れた。
来客?回覧板かな…
オレは飲みほした紙パックをごみ箱に放り投げ玄関へと向かった。
しかしそこに立っていた人物を見た瞬間にオレは金縛りにあったように足が止まった。
「おはようツナ君」
「きょ、京子ちゃん!?」
そこには京子ちゃんがいた。まさか家に来るなんて考えてもなかったので驚きを隠せない開いた口が塞がらない。
いつ見ても天使のようだ、ついつい顔が緩む。
「お前と一緒に動物園に行くに決まってるだろ?」
後ろから丁度いいタイミングでリボーンがやってくる。しかも衝撃的な発言によりオレの脳内では火山が噴火した。野生的なオレが何かを叫んでいる。
「…京子ちゃんと一緒に?」
ニコッと頷いた天使。そしてオレ達は並盛動物園へと向かうことになった。
でも一瞬だけ優羽さんと雪兎君の顔が浮かんだ。
いやいやいや、京子ちゃんと行けるんだぞ!?
オレは首を大きく横にふり京子ちゃんに微笑んだ。
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