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「いやー絶景!絶景!花見ってのはいいねー」

もうどうにでもなれ!後ろから聞こえた声に雲雀を除いた5人が振り向く。ごろごろと転がる空っぽの酒瓶、アルコールの臭いとともに現れたのはDr.シャマルだった。

「っか〜やだねー男ばっかっ!」

酔っ払いの姿を見つけ獄寺が怒鳴る。

「まだいやがったのか!!このやぶ医者ヘンタイ!スケコマシ!」

『スケコマシって何?』

『知らなーい』

まるで捨てられた女のように睨むが流石は酔っ払い、色々な意味で相手にならない。

「オレが呼んだんだ」

「リボーンも!」

またなんか来た、優羽は弟の袖をひっぱり注意を促す。これだけボンゴレと関わりがあるものが揃ったのだ、何かない方がおかしい。
例えどこからどう見ても素人で、誰が見てもただのおっさんでもマフィアなのだ。

「おめーらかわいこちゃんつれてこい!…っているじゃねーか!!」

『『は?』』

指さされたふたりは眉間にしわを寄せシャマルを睨む。そういって隙を狙うつもりか?
身構えるが冗談があまりにもきつい。

雪兎は既に殴りかかる準備を始めている。それを優羽が横目で止めた。

「…ふたりは男だぞ」

呆れたようにリボーンがシャマルに言うとシャマルは目を丸くしてふたりに近づいた。

「嘘だろ?こんなに美人なのに!」

『な…っ!!』『……』

そう言うとふたりの胸板を触り胸がないことを確認し始めた。
ぺたぺたと移動する手に背筋が凍るふたりは絶句する。

「「「この!?」」」「!!」

雲雀はすぐに優羽の腕を引き自分の腕に隠すように抱き寄せシャマルを睨みつけた。
雪兎は山本の手によりシャマルから離されたが固まったままだ。

更に獄寺はダイナマイトを取り出し優羽と雪兎を庇うように立つ。沢田も慌てて雪兎に駆け寄った。

「あらま、そんなに美人のふたりはお気に入りか?」

「ふざけるな、咬み殺す」

雲雀は殺気全開で今にも飛びかかりそうだ。もし腕の中に優羽がいなければ戦場となっていただろう。

『……』

優羽は無言でシャマルに殺気を送り続ける。流石にシャマルは焦りだしていた。雲雀や沢田達とはまるで違う異なる殺意、酔いも覚め始め小さな違和感を感じ取る。

「やっていいことといけないことがあんだぜ?」

『…ボクらのこと女顔って、女顔っていいたいのかよオッサン!!』

「このくそヘンタイやろーが!!」

「確かにふたりとも女顔だけど…!」

『ちょっ沢田それフォローになってない!』

ふたりが男だと知り興味を失くしたのかふらっと身体を傾けたシャマルはへらっと笑う。

「それよりおめーが暴れん坊主か、おまえ姉ちゃんいる?」

「消えろ」

その瞬間トンファーが見事に彼に当たる。おまけに何かが砕ける音がした。

「アホ」

まるでスローモーションのように傾いていく男。獄寺は冷めた目で言い放った。





それから話はこじれながらも、沢田達3人と雲雀の勝負で決着をつけることになった。
わかりやすくヒザをついたら負けというルールで花見の場所を奪い争う。

珀槻兄弟はと言えば見物だ。もう十分花は見れた。それに日が沈んだ頃に来れば間違いなく静かに見物ができる。
光など月明かりで十分だ。

『(さっきシャマルの奴なんかしたな…)』

雪兎は小さな虫をみつけて小さく笑った。


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