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【優羽side】


どうして?

『君の知ってた僕はいないんだよ』

何故?

『僕は君なんか他人以下のものにしか思ってないよ、僕は君が嫌いだ』

何でこんなに息苦しいのだろう?


僕は間違ってない。僕は二度と振り返らないし後悔なんかしない。したって無駄なことを身をもって体験している。

「…優羽にとって…僕はいらない存在だというの」

それなのにおかしいな。望んだことなのに苦しいんだ。

『そうだよ。君なんかイラナイ』


全部捨ててきた。希望も夢も人も。
全部捨ててきたんだ。だから君も捨てる。
過去も何もかも終わりにする、それの何が悪いのか僕にはわからない。

『知ってる?僕は君を恨んだんだよ』

彼は驚いたように顔を上げる。目が合った瞬間僅かに心臓が跳ねた気がした。瞳は虚ろで暗い闇が広がるよう、昔の見た鏡越しの僕のようだった。

「…なんで」

『僕はこんなにも汚いのに君は光のあたる場所、確定された場所で生きていける。羨ましくて憎くて、僕が闇に落ちていく時君は笑っているんだって思うと腹立たしかったよ』

「ごめん…」

雲雀から零れた言葉はその一言だった。

『どうして謝るの?意味がわからない。どうせこの僕を哀れんでいるのだろ?』


謝らないでよ。

君は何も悪くないんだよ。

キミを恨んだことなんて本当は一度もない。

ずっとキミの姿を支えに生きてきた。僕が弱いから彼を傷つける。いっそのこと憎んで欲しい、その方が楽なんだ。

嘘と真、君はいくつわかるのかな。矛盾だらけで頭の中はぐちゃぐちゃだ。

「でも…僕は優羽を信じてる」

…信じてる?
なに を 信じて る の ?

…そんな目で僕を見るなよ。僕はぐいっと胸倉を掴み顔を上げさせると力いっぱい殴った。
乾いた音が響き渡る。

『…お前なんか、お前なんかに出会わなければよかった!』

「…っ!!」

僕は雲雀の胸倉から手をはなし骸と雪兎に微笑んでみせた。

僕は壊れてなどいない。
でもどこかで心が軋む音がした。

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