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沢田家光の後ろにはスクアーロに追われていた少年バジルがいた。
「ここからはオレが取り仕切らせてもらう」
勿論誰もが驚いたようだ。スクアーロは警戒し剣を構える。
「XANXUS、お前の部下は門外顧問であるオレに剣を向けるのか」
しばらくXANXUSと家光の睨み合いは続く。スクアーロは仕方ないといった様子で剣を下ろした。
いい殺気してんじゃん。
内心わくわくしながら眺めていればベルが小さく手をふっていた。顔をしかめてやったらベルはつまらなそうな顔をした。
「今さら口出すんじゃねーぞ家光!!逃げ回るしか能のない腰抜けが!!」
口の割には焦っているスクアーロは声を張り上げる。それに反応したのはバジルだった。
「なにを!」
「待てバジル。スクアーロ、オレは逃げていたんじゃない。9代目からの回答を待っていたのだ」
真剣な眼差しで言う家光に呆気にとられる綱吉達。しかしXANXUSは微かに反応する。
家光の話によればヴァリアーのやり方とそれを容認している9代目に疑問を持っていたらしく異議申し立ての質問状を送ったらしい。
個人的にはヴァリアーのやり方は嫌いではないのだが、端から見れば確かにやり方は良くはないかもしれない。
まぁどうでもいいんだけど。
「そしてその回答ととれる勅命が今届いた」
家光が取り出したのは二枚の紙。綱吉とXANXUSに渡されたようだ。
「イタリア語で書いてある…読めない」
死ぬ気の炎、いや9代目の死炎印が灯された勅命。そこまでの興味はないがこれからのことに関わっていくことなのだろうと家光の訳に耳を傾けた。
「…ー他によりふさわしい後継者をみつけるに至った。我が息子XANXUSである、彼こそが真に10代目にふさわしい」
「なぁっ!?あの人9代目の息子なの?」
違和感を覚えた。死期が近いせいの直感で決めた新たな後継者がXANXUSだと言うことに。
あの9代目がXANXUSを選ぶはずがない。あれだけ戦いを拒み頑張ってきた綱吉の苦しみや痛みを知りながらも後継者に選んだのだ、そんな勝手なこと…
…って何考えてんだよ。これは喜ぶとこだろ。
そうだ、友人がマフィアをやめることは嬉しいことなんだと無理やり頷いた。
「そこで皆が納得するボンゴレ公認の決闘をここに開始する…つまり、同じ種類のリングを持つ同士の1対1のガチンコ勝負だ」
ボクは話をそこまで聞いたあと先程ベルが言っていたフードを被っているふたり組に視線を落とした。どちらかがボクの相手。
すると背の低い方の相手が此方を見た。金色に光る目にボクの体は微かに震えた。
『…嫌な目しやがる』
ボクは静かにその場を後にした。
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