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「ヒバリさん…来てくれたんだ!本当にリング争奪戦に加わってくれるんだ…あの最強のヒバリさんが…!!」

綱吉の歓喜の声に雲雀は切れ長の目をより一層細めた。どうやらかなり機嫌が悪いらしい。

「校内への不法侵入及び校舎の破損。連帯責任でここにいる全員咬み殺すから」

「あの人校舎壊されて怒ってるだけだー!!」

「あいつ本当に学校好きな」

にっこり笑い天然の本領発揮をする山本の横で綱吉と獄寺は顔を青くした。部下を潰されたレヴィは怒りを露わにし雲雀へ向かうが返り討ちにされていた。

「ゴーラ・モスカの相手か、マーモン奴をどう思う」

マーモンと呼ばれた赤ん坊は地に膝を突くレヴィをチラッと見たあと雲雀を見た。

「確かにレヴィはヴァリアーでも鈍重なうえに故障してるがそれを差し引いても‥なかなかの身のこなしだね」

レヴィからは悔しそうな声が漏れる。スクアーロは自慢気な顔をした。「やはり貴様は術士だな。剣士のオレには止まって見えたぞぉ、オレと並べるのは雪兎ぐらいだぜぇ」

「ふぅん、雪兎いたんだ君?」

綱吉達から少し離れた場所にいたボクに雲雀の視線が移った。トンファーを構え直す雲雀からは殺気が漂う。

『ボクは一切校舎破壊はしてない』

「君には罰を受けて貰うよ」

「あ、あの雪兎君は…!!」

「黙ってなよ沢田綱吉、君から咬み殺そうか」

「ひぃぃぃっ!!」

「ちゃおっスヒバリ!」

しかしリボーンが雲雀に声をかけると雲雀は大人しくなった。

「赤ん坊かい?悪いけど今取り込み中なんだ」

「ここで暴れちまってもいいがでっけぇお楽しみがなくなるぞ」

「楽しみ…?」

リボーンにだけは気を使う雲雀。いったいこの扱いの差は何なのだろう。不満を抱いたボクは腕を頭の後ろで組んだ。

「今すぐってわけじゃねーがここで我慢して争奪戦で戦えば、遠くない未来六道骸とまた戦えるかもしんねーぞ」

『「!」』

「あと近々優羽も姿を表すだろうな」

「…ふぅん…本当かな」

『!?』

リボーンの言葉にボクは鳥肌が立った。やはりこの赤ん坊の考えていることは理解できない、と。

「気が変わったよ、帰るよ雪兎」

『あ、あぁ』

歩き出す雲雀に声をかけられボクは急いで後をついていった。








『…リボーンが言ったこと、本当に信じてんのか?』

「さぁ、どうかな」

ボクの前を歩く雲雀はどことなく嬉しそうだった。その笑みの理由はどのことからなのか、ボクは想像したくなかった。
確かにプライドの高い雲雀なら骸と戦いたいかもしれない。

だがそれはイヤだった。あれから優羽のことは聞いてこなくなったが逆にボクは気になってしょうがなかった。
リボーンも、雲雀も、骸も優羽も、みんなの考えていることはよくわからなかった。

『優羽に会えると思ってるのかよ…』

「思ってるんじゃなくて会う」

『どうやってさ!?』

「雪兎の近くにいれば優羽は必ずみつかる、違うかい?」

『…そんなの知らない』

複雑な気分のまま、ボクは帰宅した。

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