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朝がきた。だが学校へと行く気にはなれず制服をクローゼットへとしまった。
昨日はいったいどうなったのだろうか。流石に大きな戦いは起こっていないはずだ。
9代目の勅命を受けているチェルベッロが止めるだろう。おそらくは明日が最終章ってところだ。
『学校行かないのかい?』
『うん行かな…い!?』
バッと振り返ればそこには真っ白な猫がいた。
左目が紫の蛍光色をしていたので直ぐに兄だとわかった。気まぐれなのか知らないが最近兄の考えてることがわからない。
近づいてきた猫をそっと抱き上げて睨んでみたが、嬉しさが込み上げ結局笑ってしまった。
『それより雪兎は明日どうするつもりかな?』
『明日?明日って何さ。雲雀が勝った時点で争奪戦はめでたく終わりだろ?』
『嘘つき。予想済み何だろう?』
『何となくだけどな!詳しいことは知らないよ』
その後だいたいのことを聞いた。
9代目はまだかろうじて生きていて予断を許さない状態だということ。
綱吉がXANXUSに敵意をはっきり伝えたこと。今日が大空のリング戦と位置づけられていること。
そして全ての守護者に強制招集がかかっていること。
『どうして急に強制招集なんて。まぁ別にいいけどさ』
『そうだね気にすることじゃないよ』
『ちょっと!優羽ってばどうすんのさ、猫のままじゃダメっしょ!』
『…1時間』
猫は目を細めた。どことなく悔しそうな目をして長い尻尾をジタバタさせる。
『1時間。それ以上は姿を保っていられないよ』
『それってやっぱり幻覚…』
『さぁ?どうだろうね』
そこから優羽はそのことについて何も言わなかった。きっとそれについては自分自身でもわからなかったのだろう。
幻術について知識が乏しいボクにとっては例え説明されても理解する自信はない。
簡単な幻覚でもかかるし見破ることなんて出来はしない。
だから変装という名の幻覚は全てわかるわけじゃない。兄が変装してわかるのは自分の兄だから。それだけだ。
骸レベルの幻覚使いが誰かに姿を変えても気づかない。
ただし時々直感でわかる時がある。その例がボクの敵だったやつだ。
『気難しい顔してないで学校行ってきなよ』
結局ボクだけ学校へ行くことになったが教室には行かず応接室で時間を過ごした。
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