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『…寝過ごした』

いや、寝過ごした所ではない。
目覚めの悪い朝、いや夕方。

ぼーっとする頭をおさえ窓を開けると眩しい夕陽がさし込む。
まぁ寝過ごしたと言っても学校に行くわけではないので特に支障はない。
登校したって綱吉は修行だし雲雀には溜まった仕事を押し付けられるだけだし良いことはないからだ。
といっても夕方じゃあそんなこともう遅い。

重い足を引きずるようにリビングに向かうがそこには兄はいない。しかし当たり前な気がしてしまう。
それはきっとボクがひとりの生活になれてしまった証。証は言い過ぎかな、ボクはひとり笑う。

それより…もう制服じゃなくて良いよな。
椅子にかけてあった学ランをクローゼットへとしまい適当に目に付いた服を取り出した。
久しぶりに伊達眼鏡でもかけていこうかと引き出しを開けてみたがそこは空っぽだった。

優羽もってったんだ。

雪の守護者の戦いで伊達眼鏡をかけていたのでは?という疑問も出たが、流石にないなと笑った。
机に置いてあった腕時計をはめ、ボクはソファーへと身を沈めた。


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