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「優羽さんと雪兎君は!!?」

「10年バズーカの故障だな」

「リ、リボーン!?」

突如と現れたリボーンに目線が集まる。

『……』

ふたりの小さな少年は口を開くことはない。戸惑った様子の少年は少し背の高い少年の後ろに身を隠した。

「伯フ障って!!?」

「どうやら10年前…断定は出来ないが昔と入れ替わったようだな」

「じゃあリボーンさん、やっぱりこいつらは…」

「10年前の優羽と雪兎だな」

この場全員の目は小さな少年へと向けられた。背の高い方の少年には特に表情はなかった。
戸惑っている様子も困っているようでもなく、ただ何処を見ているのかわからない虚ろな目をしていた。

「そうだ!ランボのバズーカを直して…っ!」

「ん?いないぜ?」

「あのアホ牛!」

綱吉は肩を落とした。

「あのオレたち…」

『…!』

綱吉は少し屈んでふたりの少年に話かけたが背の高い少年の後ろに隠れていた少年が怯える。

虚ろな目の少年はハッと手を広げ怯える少年を守るように後ろへと下がった。

「別に何もしないよっ!…君達の名前を教えて欲しいんだ」

虚ろな目をした少年は怯える少年と壁で逃げ場のない空間を見たあと小さく溜め息をついた。

『……』

少年が差し出した手首。そこにはチェーンに繋がった小さなプレートが細い手首に重々しく存在していた。

「優羽…、って書いてあるな」

「本当にこいつが優羽なのか?目つきわりぃ」

獄寺が腕を組み少年を睨めば少年も獄寺を睨み返した。

「ご、獄寺君!?」

「まぁまぁ、そんな警戒すんなって」

山本は笑顔で優羽に近寄るが空気がピリッと震えた。

「…っ!?」

「この幼さでこの殺気、すげーな」

リボーンが感心している中、山本と獄寺は言葉をなくした。
物静かなものだが優羽から目を離すことが出来なかった。

しかし何故こんなにも幼い子供が殺気を?ふたりは何故か悲しくなった。

「じゃあ後ろの子は雪兎君だよね…」

綱吉は殺気に気づいていないのかホッと胸をなで下ろす。
だが優羽の目つきは更に酷くなった。

弟の名前を知っていることに驚いたらしい。

『……』

「え!?いや、あのね、」

「お前たちの未来のファミリーのボスだぞ」

「ちょっリボーン!!?」

「リボーンさんこいつらファミリーにしなくても!」

「ち、違うからねふたり…とも…?」

綱吉が振り返った時には少年の姿は何処にもなかった。

「ははっ!逃げたのな」

「そんなー!?」

楽しそうに笑う山本に綱吉は焦ったように叫んだ。

「ツナ、遊んでる暇はねーぞ?今のふたりは小さな子供だ。さっさと探しにいけ」

リボーンの言葉に綱吉達は慌てたように家を飛び出した。


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