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【綱吉side】
「こっちよ!!」
「ふげー!!」
後頭部に感じた痛みに涙が出た。だがその涙にはリボーンが無事だったっていう安心感に満たされたものでもあった。
リボーンが消えて、10年後にきて、棺桶にいたりラルとあったり。
いろいろありすぎて不安で仕方がなかった。
この再会で涙腺が脆くなった気がする。
何でこんなことになったのか全然わからなくて、リボーンと10年後の山本に説明をうけても受け入れたくない自分がいて。
「おまえ達も見たはずだぞ。ボンゴレマークのついた棺桶を」
「それってオレのことー!?」
10年後の獄寺君に会ったときのことを思い出す。顔を歪め、何度も何度も頭を下げられた。
やっぱり…オレは…
「てめぇ!!何してやがった!!何で10代目があんなことに!!」
「ひいっ獄寺君!」
獄寺君が山本を力いっぱい殴り怒鳴る。鈍い音がボンゴレの拠点に響き渡った。
10年後、正しく言えば9年と10か月ちょっと。
自分が死んでいるなんて現実味が無さ過ぎて。でも山本の目をみてそれが本当だと知った。
「敵であるミルフィオーレファミリーの恐ろしいところは勿論戦闘力の高さだ」
白いスーツに身を包んだままのリボーンが表情を崩さずに言う。
「それよりもやべーのは目的がただ指輪を得るための勝利や制圧じゃないことだ」
「本部が陥落した時点でミルフィオーレは交渉の席を用意してボンゴレ側のある男を呼び出した」
ある男って…
「だが奴らはその席で一切交渉などせず男の命と…それを庇った男の命を奪ったんだ」
オレ…と庇った男?
「それからこちらの呼びかけに一切応じず、次々とこちらの人間を消し続けている…奴らの目的は」
ボンゴレ側の人間を一人残らず…
耳をふさぎたくなるような話だ。オレはこれからどうしたらいいのだろう。
ただの知り合いも的にされ過去からきたオレ達自身も危ない。
「うろたえんな、まだ希望がなくなったわけじゃねぇ。おまえはちりぢりになった6人の守護者と雪の守護者1名を集めるんだ」
「え!?1名ってどういうこと!?雪の守護者ってふたりだよね?」
「……」
そのことについてリボーンは何も教えてはくれなかった。
山本も難しそうな顔をしたままで、とても悲しそうな瞳をしていた。
ボンゴレを、みんなを集めなきゃいけない。
オレに本当に出きるのだろうか…
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