U

□U
3ページ/4ページ

【綱吉side】


「こっちよ!!」

「ふげー!!」

後頭部に感じた痛みに涙が出た。だがその涙にはリボーンが無事だったっていう安心感に満たされたものでもあった。

リボーンが消えて、10年後にきて、棺桶にいたりラルとあったり。
いろいろありすぎて不安で仕方がなかった。
この再会で涙腺が脆くなった気がする。

何でこんなことになったのか全然わからなくて、リボーンと10年後の山本に説明をうけても受け入れたくない自分がいて。

「おまえ達も見たはずだぞ。ボンゴレマークのついた棺桶を」

「それってオレのことー!?」

10年後の獄寺君に会ったときのことを思い出す。顔を歪め、何度も何度も頭を下げられた。

やっぱり…オレは…

「てめぇ!!何してやがった!!何で10代目があんなことに!!」

「ひいっ獄寺君!」

獄寺君が山本を力いっぱい殴り怒鳴る。鈍い音がボンゴレの拠点に響き渡った。
10年後、正しく言えば9年と10か月ちょっと。
自分が死んでいるなんて現実味が無さ過ぎて。でも山本の目をみてそれが本当だと知った。

「敵であるミルフィオーレファミリーの恐ろしいところは勿論戦闘力の高さだ」

白いスーツに身を包んだままのリボーンが表情を崩さずに言う。

「それよりもやべーのは目的がただ指輪を得るための勝利や制圧じゃないことだ」

「本部が陥落した時点でミルフィオーレは交渉の席を用意してボンゴレ側のある男を呼び出した」

ある男って…

「だが奴らはその席で一切交渉などせず男の命と…それを庇った男の命を奪ったんだ」

オレ…と庇った男?

「それからこちらの呼びかけに一切応じず、次々とこちらの人間を消し続けている…奴らの目的は」

ボンゴレ側の人間を一人残らず…

耳をふさぎたくなるような話だ。オレはこれからどうしたらいいのだろう。
ただの知り合いも的にされ過去からきたオレ達自身も危ない。

「うろたえんな、まだ希望がなくなったわけじゃねぇ。おまえはちりぢりになった6人の守護者と雪の守護者1名を集めるんだ」

「え!?1名ってどういうこと!?雪の守護者ってふたりだよね?」

「……」

そのことについてリボーンは何も教えてはくれなかった。
山本も難しそうな顔をしたままで、とても悲しそうな瞳をしていた。


ボンゴレを、みんなを集めなきゃいけない。
オレに本当に出きるのだろうか…

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ