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取り敢えず10年後からきた笹川京子、三浦ハル、ランボ、そしてイーピン。彼らを各自の家に送り一度家へと戻ってきた。

ソファーに座り一呼吸置いたあと頭を働かせる。

まずあの時、あの爆発音が鳴る前。
ランボは10年バズーカを手にしていなかった。それに何発も連続して撃つ必要性がわからない。
あの時狙う的にするならばボクか三浦ハルだけだ。

それよりも10年バズーカがその場に残らなかったのが不思議だ。あの中で誰かが撃ったのなら残るはず。
まるで狙ったかのようにボク以外が飛ばされた。

山本の家によったがそこにはボクの知っている山本はいなかった。スーツを着こなしている10年後山本がにっこり笑っていた。

確認してみて今わかっているのは雲雀はバズーカの弾丸に当たっていない。ビアンキも同様に現在にいる。

そしてもうひとつ。

写真の彼を自力で調べたところそう遠くはない所に住んでいることがわかった。
さらに中学1年のときにランボや綱吉は彼と接触している。
名は入江正一。頭脳明晰な少年。

ただマフィアではなく一般人でありこれといった情報は特にない。やはり彼が要注意人物だとは思えなかった。

今頃綱吉たちは未来で何をしているのだろうか。ミルフィオーレに対抗すべく力を付けようとしているのだろうか?

綱吉のことだ、きっと何かしらのプレッシャーを感じているのだろう。

アイツを支えてやれてるのか…?

獄寺はどうだ?
そんな綱吉を見て無理をしてるのでは…。綱吉を一番に考えている獄寺ならきっと無意識に自分を責める。

『……』

果たしてみんな上手くやっているのか。だんだん胸が苦しくなってきた、これが心配している人間の痛みなのだろう。

ボクと違って綱吉はこうやって何度も心を痛めてきたんだろう。なんて人間らしい生き物。

…骸も痛めてくれたことはあるのだろうか…

『………』

静かに目を閉じて痛みに酔いしれていると急に眠気が襲ってきた。
薔薇の香水のような甘くて心地よい香り。

薔薇の香水なんて果たしてこの家にあっただろうか。
暗くなっていく視界の片隅で何かが笑ったような気がした

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