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□V
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【日本某所】


「入江様」

大きく広い空間にコツコツと靴音が響いた。静かな空間には音楽が微かに流れている。

「失礼します」

声の持ち主は机に顔を伏せていた青年の頭からヘッドフォンを奪った。
さらに音楽は鮮明に聞こえる。

「研究お疲れ様です」

チェルベッロは薄く笑みを浮かべていた。

「ごめん…眠っちゃってたよ」

眼鏡をかけている青年は散らかった資料を整頓し立ち上がった。



「野猿と太猿?第3アフェランドラ隊の?」

「えぇ…」

「負傷ってどういうことだい?」

チェルベッロふたりを後ろに連れミルフィオーレの隊長、入江正一は興味なさげに話を聞いていた。

「報告では兄弟ゲンカをしたとのことです」

「…なくもないだろう。野蛮な連中だよ…ブラックスペルは」

しかしボックスを4つ失っていると報告を受けたのだ、兄弟ゲンカとは思えない。
敵と接触し戦闘が起きたのは間違いないと正一は結論を出した。

「処分はいかがなされますか?」

「彼らきっと外様の上官の言うことは聞き入れないだろう…僕が直接第3部隊の隊長として話をつけるよ」

めんどくさいと言うばかりに溜め息をついた正一。目は疲れていると言っているようだった。

「ところで君、白蘭サンから送られてきたもの見た?」

「ええ…格納庫いっぱいに…たしか花言葉は…」

「調べたさ、期待…だろ?プレッシャーで僕を殺す気なのさあの人は…」

白蘭から送られてきた数え切れないほどの花を思い出し先ほどよりも深い溜め息をついた。今の彼に慰めの言葉を送るものはいない。

「あと…彼はどうなってる?」

突然正一は真面目な顔をした。しかし気にとめないチェルベッロは手に持っていた資料を見て口を開いた。

「生命反応は微々たるものです。極めて危険な状態で機械の補助がなければ…」

「…白蘭サンも悪趣味だな、でもそれほど彼に執着してる。…さすがに同情するよ」

雪兎君には



正一とチェルベッロふたりは静かにある一室へ入っていった。

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