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『やぁ哲』

「!、優羽さん」

草壁哲矢。やはりフランスパ…リーゼントが似合う男。オールバックも似合う気がする。

『一様聞いておくけど彼らは大丈夫かい?』

チラリとふたりを見れば葉っぱを加えた草壁はキリッとした顔で言う。

「大丈夫です。…それより此方に来て大丈夫ですか?」

『何故だい?何かまずいことがあるのかな』

「…いや、その」

急に顔を青くしたかと思えば驚いたように一瞬目を見開いた。

「獄寺君!!山本!!」

「大丈夫命に別状はありません」

「あっ、あなたは…」

「草壁哲矢、雲雀の部下です」

真っ青な顔をした少年が叫びながら近寄ってきた。少年、沢田綱吉は草壁を見た後地に膝をつき座り込んでしまった。
彼の小さな背中は少しずつ小さくなっていく。

『ねぇ、僕まだ綱吉と話してないんだけど?』

左腕を掴まれた僕は雲雀に文句をいう。

「あとでね」

『ヤダ』

「僕もヤダ」

『僕はもっとヤダ』

「我が儘言わないの」

ズルズル引きずられてく僕の頭にヒバードが着地する。それと同時に景色が変わった。
どうやら雲雀の研究施設に入ったらしい。

『霧系のリングで入口をカモフラージュ。見つからないわけだ』

「まぁね。それより君いったい今まで何処にいたの。捜した」

『いつまでも引きずられたくないな』

「引きずらないと君は逃げるでしょ」

どうかな。そう言ったら雲雀は諦めたらしく僕を解放した。雲雀の横に移動し少し長めの通路を歩いて行く。
雲雀の趣味か、和風のデザインが施されていた。

「ちゃおっス優羽、ヒバリ」

「やぁ赤ん坊」

『やぁリボーン』

景色がガラッと変わる。スライド式自動ドアが開くと見覚えのある施設が見えた。更にそこには白いスーツを着たリボーンの姿がある。

どうやら沢田綱吉のアジトとこの研究施設は繋がっていたようだ。そういうことはもっと早く言ってほしい。

『不可侵規定で開いてないとかかな』

「ヒバリは群れるのが嫌いだからな」

ふんっと鼻を鳴らす雲雀を一別し僕はしゃがむ。

『そんなことよりリボーン。君がいない世界はつまらない』

「オレはもっと早くおまえに会いたかったぞ」

リボーンの頭にそっと手を伸ばし頭を撫でる。レオンは腕を伝い肩に乗ってきた。

『彼らが余計に混乱すると思ってね。それに雪兎のことも話さなければいけない。荷が重いよ』

「オレだけに逢いに来てもよかったんだぞ?」

『楽しみはとっておくものだよ。やっぱり可愛いね君は』

そう言うとリボーンはニッとはにかむ。癒されると和んでいたら背中に重みを感じた。

後ろから手が伸び腹部へと回される。首筋に髪があたりくすぐったい。

『くっつかないでよ暑苦しい』

「我慢の限界に達した。君のせいだよ」

『ちょ、どこ触ってるの』

「腰細いよね優羽って。というより痩せすぎ。ちゃんと食べてる?」

『撫で回さないでくれる?いい加減にしないと怒るよ』

「へぇ…怒ってる君もいいね。咬み殺したくなる」

『いつでも相手してあげる、きなよ』

するとリボーンが何だコイツラ、みたい顔をした。端からみたら奇妙なものだ。
あの群れるのを嫌う雲雀がこうも突っかかってくるのだから。

『そんな顔しないでリボーン、雲雀君は頭がおかしいんだ。こんなの日常茶飯事だよ』

「可愛いでしょ、優羽は照れてるんだよ赤ん坊」

『…、またあとでね』

僕は雲雀の腹に肘で一発入れスタスタと歩き出した。

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