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【〜綱吉side〜】


「獄寺君はどう?」

「まだ…起きねーぞ」

ヒバリさんの研究施設を通りアジトへと帰ってきた。まさか繋がっていたなんて正直かなり驚いた。
でもそんなこと気にしてる場合じゃない。
敵と遭遇し深手を負った獄寺君と山本が心配だ。

獄寺君のいる第二医療室を訪ねるとイスに座ったリボーンがいた。

「だがまぁつくづくよかったな」

「なっ何がどこがよかったんだよ!!」

「よかったじゃねーか。ミルフィオーレを相手にオレ達が生き残るため残された道は成長しかねーんだ」

リボーンはそういうけどこんなのって…。
ベットに横たわる獄寺君の身体には痛々しい傷が刻まれている。腕に巻かれた包帯は薄く赤色に染まっていた。

「それにピンチの次にはいいこともあるはずだ」

「おまえな!!みんなケガしたんだぞ!!」

こんなことがあって、みんなが傷ついて。前向きに考えれるわけがない。

「10代目……すいません……」

「獄寺君!!」

オレ達の会話で目が覚めたのか片目だけをゆっくり開けた獄寺君。しかし声は掠れていた。

「すいません10代目…全てオレの責任です…」

「………」

え…?

「オレ…本当は…こっちの世界に来て…びびってたみたいっス…。テンパって山本に当たってあんなことに…」

「獄寺君…」

それを聞いたリボーンはニッと笑った。

「山本もそう言ってたぞ。いっぱいいっぱいで獄寺に言わなくてもいーことまで言っちまったってな」

「な!!じゃあ山本は!!」

獄寺君の前に山本に会ってきたけど、うん。

「生きてるよ!結構元気に!!」

いつもと同じ、見ていてホッとする笑みだった。それを聞いて獄寺君はどこか嬉しそうな顔をした。
喧嘩ばっかりだけど(獄寺君が一方的につっかかっているだけ)やっぱり仲がいいふたり。
無事だったことが嬉しいんだと思う。

「ちぇ。まだ生きてやがるのか…」

でも…オレ自分のことばっかりで全然気づかなかった。みんなもこんなに余裕なかったなんて…。

みんな未来にきて変わらなくて。笑顔だったし前向きだったし。オレだけ不安がって。

やっぱり早くみんなを過去に返さないといけない。雪兎君もきっと心配してると思うから。

「そりゃそーだぞ。急に消えたらアイツだってパニクるだろ、口は達者でもやっぱガキだからな」

心読まれたー!!

「もしかしたら…もう来てるかもな」

「え……?」

顔を曇らせボソッと呟いたリボーンに何故か聞き返せなかった。

「ま、おまえらは経験不足で不安定ですぐに血迷ってイタイ間違いをおかしやがる」

「そ…そこまで言うか!?」

確かにその通りだけど、仮にもおまえの生徒だぞリボーン!
慌てるオレにリボーンはニヤリと笑った。

「だが今は死ななきゃそれでいいんだ」

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