ME book

□V
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「サンキューさんですリアスさん」

屋敷内につくとそう言ってアシュは私の背から降りる。
彼のよくわからない敬語らしきものはもういろいろとなれました。

「んじゃグッバ‥い!?」

勢いよく走り出した彼は誰かにぶつかりました。
屋敷では走らぬようあれほど言いつけましたのにあのバ…ゴホン、お子様は。

『すみませんこのバ…アシュレイが失礼を』

「骸さんだぁー!!」

『いい加減にしなさ…』

その瞬間私は夢を見ているのかと思いました。
目の前でアシュの頭を鷲掴みにしている青年は写真でみた顔です。
やはり先輩にそっくりです。確か名前は六道骸という主のひとり。

「おや…あなたは」

すると青年はクフフフと笑いました。

いつ屋敷にお帰りになられたのかは不明ですが、いや…それにしても笑い方が…。

『…大変失礼を致しました。骸坊ちゃん』

「好きです!」

『それでは私仕事がありますので』

「ちょ、スルーしないで下さい!」

腕にしがみついて来ましたが私はあえて気にしない、気にしません。
彼の口から幻聴が聞こえましたが気にしません。

『大変申し上げにくいのですが、もの凄く邪魔です』

「そうですよアシュ!あなたは少し空気を読めるようになりなさい!」

「僕でありますか!?」

骸坊ちゃんに指をさされたアシュは敬礼!とポーズとる。
気がつけば彼は私の腕に頬ずりをしている。何なんですかあなたは…。

『骸坊ちゃん?いつお帰りになられたのですか』

するとパァァと笑顔を向けてきた骸坊ちゃん。
気がつけば私は子犬を彼にダブらせ思わず頭をなでなでしていました。
…不覚。

「新しく入った執事が僕好みのイケメンだと聞いたので飛んで帰って来たんです!ヤバいです!」

『それは…光栄です』

貴方様の思考がヤバいかと?

「飛んできたの!?魔女っ子骸さんだったんだね!」

キャー!と喜ぶアシュとキャー!と抱きついてくる骸。

もう何なんですか本当にあなた達は!

「…何やってんのおまえら」

神の助け、いや私悪魔なんですが、助かりました。
階段から降りてきた綱吉坊ちゃんは呆れた表情でこちらを見ています。

『綱吉坊ちゃん丁度いいところに…』

「リアスはオレのだから」

顎を掴まれ顔が綱吉坊ちゃんに近づいていく。
なんの御冗談ですか坊ちゃん。私年下には興味ありませんよ?

「10代目ーお久しぶりです!!」

「今帰ったの…な?」

元気な声がしたと思えばふたりの青年が固まっていた。

「何…してるんですか10代目…?」

「何ってキス?(黒笑」

唇がギリギリくっつかない程度で綱吉坊ちゃんはニヤリと笑う。マセたガキめ。おや失敬。
随分と余裕のご様子で。

「…少しぐらい焦ってよ、今俺にキスされそうなんだよおまえ?」

『おや、これは大変ですね』

「…可愛くない」




そして数分後その場はダイナマイトにより爆破されました。






(おい!何の騒ぎだてめーら!)
(申し訳ありません…リボーン坊ちゃん)

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