ME book
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「今日もまた壁紙張り替えたの?」
『えぇ、壁に埋め込まれた弾はやはり取り除くのがやっかいです』
少し時間があき私は部屋のシーツを取り替えているチェルのもとまで足を運んだ。
しかし長年勤めている彼女はその話は当たり前だと言う。
慣れというものは恐ろしいです。
笹川家は坊ちゃんを覗けば静かな朝、何より誰も無闇に銃を発砲しない。まさに天国と地獄と言うべき。
「そーいえば骸君がおやつはチョコレートを使ったものがいいって言ってたわよ。いつ仲良くなったの?」
シーツのシワを丁寧に伸ばしていく彼女はニヤニヤしながら私の顔を見た。また変なことを考えてますね貴女は。
『怪しい関係ではないですよ。主ですし』
「私的にベットの上で仲良くなって欲しかったわ。やっぱ骸君が下かしら?」
いつも貴女はそっちの話へもっていきますよね。
まぁこのての話に反応するとかえって彼女を喜ばせるだけになってしまいますから…出来るだけ流しましょうか。
彼女と一休みしようと持ってきた紅茶を口に含んだ。
そろそろ落ち着きましょう。
「クフフッ僕はどちらでもいけますよ☆」
………ぶっ!!?
「攻められてるリアスが見れるの!?も、萌え」
「まかせて下さい」
『……』
「キャッ☆紅茶が口から滴ってなんかエロい」
即座に携帯を取り出したチェルはハイ、チーズとウインクをした。
パシャッと音が鳴り写真をとられたのに気がついたのは数秒後。
私は静かに口を拭いました。
「チェルさん!僕にそれ送って下さい待ち受けにします」
「いいわよ、送信☆」
『失礼します』
チェルから携帯を奪い私は即座に先ほどのものを消した。
絶望的な顔をしたチェルと骸坊ちゃんににっこりと笑いかけると、ふたりは地に膝をついて崩れ落ちました。
ふふっ…証拠隠滅です。
紅茶を吹き出したなんて言えません。
綱吉坊ちゃんやリボーン坊ちゃんに知れたらどうなるかわかったもんじゃありません。
「どうして、どうして消したんですか!?僕だけのエロい貴方を返して下さい!」
『返せと言われましても、差し上げたわけではありませんから』
しがみついてきた骸坊ちゃんの手を払う。
どさくさに紛れて尻を触ろうとするのは是非とも止めて頂きたいです。
「あぁ…萌えが…私のトキメキが…きゅんが…萌え…エロ執事が…消えてしまった…」
『さて、私は仕事に戻りますね』
見るからに重症でイタい彼女とセクハラの塊を部屋に残し、私は庭へと出ることにしました。
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