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何で世界は白いの?
僕は汚れているのに
何でそんなに白い
白は嫌い
大嫌いだ

雪は好き
白いけど雪は好き
雪は特別だ
雪は…
綺麗に赤く染まるから




またバラの香りがした。もう中毒症状のよう、バラの香りに安堵さえ感じ始めていた。

どうなってしまうのだろう。
ずっとこのまま閉じ込められたまま?
どうして?閉じ込められたままなんだ。


いつもボクはひとりだ。

ずっとひとりだ。

これからもひとり…。


でもなんでこんなに寂しい、孤独がこんなにも怖いものだったのか?

なんで、どうして…

もう…何も考えたくない

そうだよ…もうどうでもいいじゃないか。











「ったく、アホだなてめーは」

『あ"?誰がアホだって誰が』

「まぁまぁ、落ち着けって」



これは…?


「知っらねーびょーん!」

『嘘つけぇ!今食ってんのボクの菓子だろが!』

「…ふたりともうるさい」



…なんだよ


「サボリは咬み殺すよ」

『ちょ、たんま!トンファーは卑怯だっ、てかあんただって屋上で昼寝してんじゃんか!』

「バカだね君、僕はいいんだよ。遺言はすんだかい?」



いい思い出ないじゃん










「10代目を悲しませてんじゃねーよ」


うるさいな


「バカじゃないの?」


バカバカ言うな


「早くあいたいのな」


………。


「雪兎君…」


ボクは…







「ひとりにしません、君には僕がいる」








聞いて兄さん

ひとりじゃ…なかった











目を覚ましたボクは目の前に張られていたガラスを割り外へと飛び出した。
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