ME book
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『貴方はいったい今までここで何をしていらしたのですか』
「…別にサボってたわけじゃないって言ってるだろ?」
綱吉坊ちゃんはそう言って私が入れた珈琲に手を伸ばした。
現在ここは綱吉坊ちゃんの部屋。
彼の机の上には溜まりに溜まった書類が堂々と存在している。
私が今朝この部屋を訪れて3時間経った今、全くと断言していいほど書類は片づいていない。
『ではお聞きしますが何故書類が片づかないのです?』
サボっていないと言い張る坊ちゃんに書類を突きつけ微笑むと、坊ちゃんは肩を震わしました。
「いや、本当にサボってたわけじゃ…」
『言い訳はもう聞きません。この書類全て片付けるまで外出禁止です』
「そんな…!」
パタンとドアを閉めれば室内から坊ちゃんの慌てた声と足音が聞こえてきた。
本当にダメなお坊ちゃんだ。
追い討ちをかけるように外側から部屋に鍵をかけると坊ちゃんの情けない叫びが響き渡った。
それを無視し私は庭へと向かうことにした。
*****
「ツナはどうした?」
『坊ちゃんは書類整理がやりたいそうです。ですからお部屋に引きこもってますよ』
庭の白いベンチに座り銃の手入れをしていたリボーン坊ちゃんは、イラついたように眉間にシワをよせた。
「…ダメツナが、今日はあいつが帰ってくるってのに何やってんだ」
『誰かお帰りになられるのですか?』
あいつとは?首を傾げる私にリボーン坊ちゃんは懐から取り出した写真を渡した。
「ヒバリだ」
写真に写っているのはあのパイナップ…骸坊ちゃん。そしてこの骸坊ちゃんと睨み合う青年。
黒髪で切れ長の目をし、深緑のベストを着た細身の青年だ。
『確か…雲雀恭弥でしたか?』
少し間をあけ記憶をたどる。
「一癖も二癖もある奴だがリアス、お前なら何とかなるだろう頼むぞ。もう一回言ってやる、頼むぞ」
プレッシャーをかけられましたが、期待されていると言うことなのであれば…。
『お任せくだs「ワオ!何この写真。もっと綺麗に写ってるのなかったわけ?こんなに僕目つき悪くないよ」』
『「……」』
「あ、ちょっと髪跳ねてるんだけど。最悪」
私から写真をひったくるように取った黒髪の青年はぶつぶつ文句をいう。
リボーン坊ちゃんも呆然と青年、雲雀恭弥を見ていた。
それよりこんなに目つき悪くないって貴方、多少は自覚なさっているのですね。
「…ちゃおっス。帰ってたのかヒバリ」
「まあね」
写真をそのままポケットに突っ込み、あ、今クシャって音しました。
雲雀坊ちゃんはキリッとした顔をし此方を見ました。
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