ME book

□Y
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「お〜いリアス!おまえもこっち来い!呑め!」

リボーン坊ちゃんに現実に引き戻された私の目の前に広がるのはとても晩餐とは思えない
光景です。
下し立ての真っ白なテーブルクロスはくしゃくしゃになり零れた赤ワインによって赤い花が咲いています。

そもそも赤ワインをお出しした覚えはございません。気がつけば足元に空き缶が転がってきました。ひとつやふたつどころではありません。なんなんですかこの数は。

「聞いてんのか?みろよこの坊ちゃんの呑みっぷりを」

「まだまだ余裕なのな」

「さすがっす師匠!ボクも見習って頑張っちゃいます!えいえいおー」

ぷはっと朱に染まった頬で爽やかに笑う武坊ちゃんと片手にビールを持ったろくでなし。
その横で枝豆を食べていたアシュレイがパチパチと拍手を送ります。

『言いたいことは山ほどありますが…まず貴方は見習わずジュースでも飲んでなさい』

「あいあいさー!ジュース頂きますリアスさん」

「少しぐらいいいだろ、酒は美味いぞ〜」

『そうですね、一度貴方死んだ方がいいと思います。…武坊ちゃんもそろそろお止めください』

けらけらと笑い声を上げるトワ、正直私は今彼を殴りたい衝動に駆られていますがそのようなことはしません。
坊っちゃん達がいらっしゃらない所でボコボコ…いえ、指導します。

「リアスは呑まないのか?」

『私は執事、貴方様方の前で酒などとんでもございま「僕が口移しで呑ましてあげま」慎んで御遠慮いたします』

「ガーン!そ、そんなっ!」

「ああん!そこはリアスからの口移しなのね!うふふ…萌え」

自ら背景につきそうな言葉を口にした骸坊ちゃんはクルクルと回転しその場に倒れる。
口元を押さえはらはらと泣きだす姿はまるで女性ですがどこからどう見ても茶番劇です。

そんな涙目で見られても気持ち悪いだけですからやめて頂きたい。
この際暴走メイドは気にしません。

「今日のお前いつも以上に毒吐くな」

心を読まないで頂きたいですリボーン坊ちゃん。今の私は冷静な判断が出来そうにありません。

『…リボーン坊ちゃんからもお止めするよう何か言っ…』

刹那、背中に何かがぶつかり私の足が一歩でる。腹に回った細い腕の持ち主を確かめるべく首を後ろへと捻ると茶色の柔らかい髪が見えた。

『どうなさいましたか綱吉坊ちゃん』

「オレもかまって」

『…誰ですか坊ちゃんに呑ませたのは』

皆がふるふると首を横に振る中ニヤリと雲雀坊ちゃんが笑ったのを私は見逃しませんでした。
とりあえず綱吉坊ちゃんをなんとかしなければ。
ぎゅっと幼い子供のように背にしがみつく彼の手を身体から剥がすように掴むが意外に力が強く動かない。

…やはり一様この方はマフィアのボスなのですね、私としたことがすっかり忘れてました。

『放してくださいませんか?まだデザートをお持ちしておりません』

「そんなこと言ってオレから逃げるつもりなんでしょ?…やだもん。オレ離れないよ…」

なんでしょうこの駄々っ子は。あとニヤニヤしながら写真撮るの止めていただけませんかチェル。ハアハアもしないでください。

「リアスは今日ずっとオレと一緒なんだからね…じゃなきゃ仕事なんかしない」

最後の脅しですよね、確実に脅しですよね。
リボーン坊ちゃんお願いですからそんな目で見ないでください!私を捨てないでください!

しかしそんな私の訴えも虚しく消え去りリボーン坊ちゃんは天使のような微笑みを浮かべた。

「おまえら、寝てこい」



それはどういう意味ですか?







リ(そんままの意味だ)
骸(嫌です僕とあんなことこんなことしましょうリアス!)
雲(こんな展開聞いてないよ、僕と変わりなよ綱吉)
綱(…すー…)
(おや…寝てますね)

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