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「…ーそれではやってもらいましょうか?制限時間は10秒ですよ」

制限…時間?

「て…てめぇ!」

「10代目!もう一度考えなおしてください!」

山本…獄寺の声が聞こえる。
何が起こっている、何を沢田が考えなおす?

「すぐ救急車をよんであげる、ナイフ貸しなさい」

ナイフ?

毒サソリ…ナイフってなんだい?

「いいよ。自分で…やる…」

「!」

「10代目…!」


自分で…やる…?

…まさか…沢田?


「ここここれくらい〜!!!」

キィンッ!

「!?」


その瞬間沢田が手にしていた体を刺すためのナイフは何かによって飛ばされた。

沢田の目の前には洒落た銀の装飾を施してある黒く長細い棒…、槍に近いものがあった。

それをもっているのは


『あまり調子に乗るなよ?脱獄したばかりの薄汚いマフィア』

「「優羽(さん)!!?」」

ホントにこいつは骸達の援軍でいいのかとも思う。それにしても人質などあまりにも汚い手を使う、何より僕はこいつを消してやりたい。(だってマフィア嫌いだし)

「ウジュジュジュ〜…、邪魔しないで下さい優羽さん」

『ったく、沢田!ムチャするなよ!』

「「「(スルーしてる…/汗)」」」

でも誰もがホッと息をついた。沢田は生きているのだから。

「ギギィィッ!」

「!」

すると何かが苦痛の声をあげる。さらに殴られたような鈍い音も聞こえた。
壁に映された映像には奇妙な男が頭から血を流し倒れている、確かジジだ。

いったい誰が…?

「おめーみたいのがロリコンの印象わるくすんだよ」

沢田達の顔が驚きに変わる。
僕もこの声には聞き覚えがあった。

「ハーイ京子ちゃん、助けにきちゃったよ」

この喋り方に軽々しい感じ…

「おじさんカワイコちゃんのためなら次の日の筋肉痛もいとわないぜ」

「Dr.シャマル!」

沢田の叫びには歓喜が混じっているようだった。
Dr、一流の闇医者であり天才の殺し屋。
トライデント・シャマル

この男がいると言うことはリボーンが手配したのだろうか。

「やるな保険のおっさん」

「おせーんだよヘンタイヤブ医者が!!」

それでも獄寺は嬉しそうだ。例えヘンタイは事実だとしても…獄寺にとっては彼は特別な存在なのだろう。

「まーまーみなさんおちついてください、こっちにはもう一人いるんですからね」

そう言えばもう一人、三浦ハルが残っていた。
しかし笹川さんにいるのなら三浦さんにもいるはず…

「さぁナイフを刺してください、今すぐに!!」

一瞬だけだが今からこの生理的に受け付けない男を消してしまおうかと思い足が動いたがなんとか食い止めた。

殺す価値もない。

どうせならば沢田達がこの男を殴ってくれた方がこちらも気が晴れる。

バキッ

「ギャギャ!!」

次の叫び声はヂヂ。

「やれやれ」

「ハルさん!ケガありません?」

少女の声と男の声。
「あれは…イーピン!!ランボ!!」

沢田は知り合いだったのか名を叫ぶ。
映像に映るのは見るからに格闘の素質がある少女と牛柄の服の優男。

僕は彼らを知らない。

「許せないな、女性を狙うなんて」

「ハルさんここはオレ達に任せて下さい」

イーピン…ランボ?
イーピンと言ったらあの小さな少女、ランボと言ったら沢田をよく困らせ獄寺が泣かしている子供。

しかし彼らは…

「10年後のランボとイーピンだぞ」

すぐ隣にはリボーンがいた。やはりリボーンが用意していたのか。

『ホントにアルコバレーノは面白い』

さすがボンゴレ9代目が信頼を寄せるヒットマン。
予想外なことが次々と起こる。



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