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「僕が優羽を守る」

彼からの言葉。

僕のココロは大きく揺らぐ


残酷だ。どうしてこんな時にそんな約束思い出すのさ?

僕の目の前で骸と雲雀が闘っている。しかしその姿は霞みよく見ることが出来ない。

何故だろう?拭っても拭っても止まることを知らないもの。そのよくわからない雫は僕を戸惑わせた。

「優羽さん…大丈夫ですか?」

沢田はいつの間にか僕の隣にいて心配そうに顔を覗きこんでいた。ああ、今僕は情けない顔をしているんだろう…。

今まで気づこうとしなかった人の優しさに僕の心は沈んでいく。その優しさは今の僕には痛いほど深いものだった。


『大丈夫だよ』

ホントは大丈夫なんかじゃなかった。この場から逃げ出したくて、不甲斐ない自分を嫌悪して何もかも忘れたかった。

いつの間にかあたりには桜。皮肉にも一番好きな花。この桜も今では嫌で仕方がない。

そしてこの空間に響いたのは何かが落ちる音と殴られた鈍い音。顔を上げれば骸が倒れていた。

『骸?』

骸が何で倒れているの?
ポツンと立っている雲雀を見てしまった。

「…帰ろう、優羽」

彼はそう微笑むとゆっくりその場に倒れてしまった。

何で笑った?何で?何で…そんな優しいのさ?
僕はどうしたらいいんだよ。

迷わないって決めたのに
僕は何をしたいんだよ…


これじゃあまるで

まるで…

僕が君から逃げてるみたいじゃないか…

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