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あれから一ヶ月後。


ボクはあの後3日間眠り続けた。初めてボクは優羽に刹那道で体を動けなくされ、そして置いていかれた。

また守られてしまった。

なぁ優羽、今苦しんでるんだろ?

やっぱりボクは優羽を苦しめる存在だったのかな。何度後悔したものか。ボクはバカだった。
でもせっかく優羽が守ってくれたんだ、だから今度はボクが優羽を助ける。

ボクはそのためならば死ぬ覚悟ができているんだ。




カキーン

『お、さすがー』

今日は山本の野球の大会。まさに今打ったホームランは山本のものだ。
会場は盛りやがりみんなも元気だ。

「山本ごときに相手チームは何やってんスかねぇ」

山本の活躍に喜ぶ綱吉の隣では獄寺が面白くなさそうに呟く。ちゃっかりダイナマイトを手に握りしめていた。

「てめーらしっかりやんねーと暴動起こすぞ!!!」

『ボクも殺るぜ!!』

「何しにきたのー!?つーか雪兎君殺っちゃダメーー!!」

綱吉のツッコミも健在だ。

「まぁ落ち着けタコヘッド、スポーツ観戦ではやるべきことが他にあるだろ」

「ああ!?」

『クク…タコヘッドだって』

笹川兄に言われ獄寺は不機嫌になる。

「野球などやめてボクシングやらんかーー!!」

「それもまちがいー!!」

骸達との闘いが嘘みたいに平和な日常だ。
ボクがこうやってボンゴレ達に紛れ笑っているとき優羽と骸、犬千種は苦しんでいる。

そう思えば思うほど気が沈むがみんなは気を使っていてくれているのかその話はめったに出さない。
いや、それ以前にボクはその事実を認め必ず取り返すことを誓った。

もっと強くなるために目をそらさないようにした。
こんどこそ何もなくさないように…。

「みー君お兄ちゃんがんばってたねー、ごほうびにお夕飯何にしてあげよーか?」

「うんとねぇ…ハンバーグ!…あ!ちょっとまって!ボクあのお兄ちゃんしってる!あいさつしてくる!」

ボクの目の前に来た知らない男の子。ボクはしゃがみ目線を合わせた。

「クフフ…むかえにいきますから待っていて下さい」

何故かわからなかったけど視界が霞んだ。

『待ってる、ずっとまってるから』

男の子、骸を抱きしめた。久しぶりに笑った気がする。

男の子は母親のもとへもどり手を振る、母親はボクに会釈をしたあと手をつなぎ帰っていった。


まってる、いや、ボクがむかえに行くから。

その日までしばしの別れ。

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