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『骸が…吹っ飛ばされた…』

戦いを見ていた雪兎が小さくつぶやく。有り得ない…と言う言葉を飲み込んだ優羽はただ傍観者として見守り続ける。

「ウォーミングアップはまだ終わらないのか?」

沢田の雰囲気の変わりようにも酷く驚かされた。

「……クフフ…クハハハハハハッ!!」

『む、骸が壊れた!?』

『ふっ…。何を今更』

「そこのふたり聞こえてますよ!」

「話が進まねーぞ」

「……」

リボーンの言葉に骸はまた笑う。

「ボンゴレの力がここまでとは嬉しい誤算だ、君の肉体を手に入れれば知略をはりめぐらさずとも直接ファミリーに殴り込みマフィア間の抗争を起こせそうだ」

やはり結局はマフィアへの復讐だ。骸にはついていくがやはりマフィアへの復讐には抵抗がある。
マフィアなんて嫌い、大嫌い。

優羽と雪兎の頭にはそれしかない。
しかしマフィア全滅させても幼かったふたりの時間も何も戻ってこない。ならば一生マフィアを憎み、殺すという理由を立て生き続けてやりたい。
曲がった生き方しかふたりにはない。

「…ーそして彼らをあやつりこの醜い俗界を純粋で美しい血の海に変える。世界大戦…なんてベタすぎますかねぇ」

『ベタだよ』

「クフフ…優羽は黙っていて下さい」

『だが出始めはやはりマフィア…マフィアの「雪兎!何僕の大事なセリフ先に言うんですか!!」』

ふたりのおかげで場のシリアスな雰囲気ブチ壊しです。リボーンと沢田はかなり呆れ果てた様子だ。

「なぜマフィアにこだわる」

「恨みか」

沢田の言葉に過剰に反応したのは雪兎だった。

『恨み?恨みなんかでボクらがマフィアを?随分安っぽい理由だな』

肩をすくめてやれやれと首を振るが眼差しは真剣だ。その隣で優羽が『これ以上話すことはないよ』と愛想笑いを浮かべる。

「君は僕の最強形態によって僕のものになる」

骸はそう言ったあと幻覚をうまく使い沢田を攻撃した。しかし沢田の動きは速い、その後骸の背後に周りまた骸を吹き飛ばした。

『…』

『雪兎…?』

次第に雪兎の心には大きな不安が積もっていった。嫌な予感。
そして雪兎の不安と嫌な予感は当たってしまったのだ。


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