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キン…キキン…

ドゴォッ…!!

真夜中、静まり返った暗闇の中で金属音が鳴り響く。戦場と化した建物の屋上で闇に紛れ動く影はふたつ。

「う"お"ぉい」

ひとつめの影。長髪の銀色が揺れる。楽しげに獲物を追い詰めるように笑みを浮かべ、持っていた剣の先を鈍く光らせた。

「てめぇ何で日本に来たぁゲロっちまわねえと三枚におろすぞぉオラァ」

「答える必要はない」

それに答えたのは額に青い炎を灯した少年。強い意志を秘めた青い瞳が影を捕らえた。







「へーよかったじゃねーか親父さん帰ってくるなんて」

「…うん…ま…まぁ…」

日曜日、補習があるため学校へと向かう途中綱吉から父親が帰ってくると報告があった。
しかし綱吉からは笑顔は見えなく晴れ渡った空とは裏腹に曇った表情をしていた。

「10代目のお父様がご健在だとは…帰ってこられたあかつきにはご挨拶に伺います!!」

「いやいやいーよ!あんなでたらめな奴に…」

『でたらめ?』

「ハハハ、なんだよでたらめって」

綱吉はなんとも微妙な顔をして記憶を振り絞るかのように明後日の方向を向く。話によると世界中を飛び回り工事現場の交通整理をしていたらしい。さらに出稼ぎで外国で石油掘り。

ありえねー…子供にそんな信じられない仕事言うなよ。

沢田家光が帰ってくる。つまりボンゴレに動きがある。リボーンの動きにも注意しなければならない、そして何よりも嫌な予感がする。ボクは頭を抱えた。こーゆー感って当たるんだよね。

「小さい時はよくわからなかったけど今考えるとおかしいことばっかりでさ、だいたい2年間一度も帰ってこないなんて有り得ないよ!」

それはそのはず、ボンゴレにいればなかなか帰って来られるはずがない。しかも石油掘りじゃあねぇ…。

「あんな父親…今更帰ってこられても。はー…っ」

俯いて深く溜め息をつく綱吉の顔は複雑な表情、呆れているように拗ねているようにも見えた。隣ではそんな落ち込む姿に戸惑う獄寺と少し考えふける山本。
何か気晴らしになることは…。ボンゴレより今は綱吉が先だ。

「なぁこのまま遊び行かね!?」

「え!?」

山本の提案に綱吉は驚く。

「ナイス野球バカ!そうしましょう10代目!!」

「ええ!?」

どうやら獄寺は山本に賛成のようだ。こちらを向いた綱吉にボクも頷く。

「あんま家庭のこととか考えすぎない方がいいっスよ」

「ご…獄寺君…」

「オレんちなんかもっとドロドロのグチャグチャですしね!!」

「(笑顔ですごいこと言い出した!!!)」

『ボクは気づいたら親いなかったし気にすることないさ!』

「(こっちはこっちで爆弾発言!!!)」

それから知り合いをよんで補習をサボり遊ぶことになった。


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