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どうやら期待通り予想通り晴れのリングは笹川了平に渡っていた。この調子なら雷のリングはあの子供に渡っているだろう。
ただあの子供が戦えるのかが…、いや確か10年バズーカを使えば戦うことが出来る。リボーンはそれを狙いとしているのだろう。

ったく、この赤ん坊は…

リボーンに目を向ければ首から下げていたおしゃぶりが輝き出す。

「近いな」

おしゃぶりが光だしたのなら近くにアルコバレーノがいるはず。鳥の翼の羽ばたき音が聞こえてきたと思えば「コロネロ!!」綱吉の言葉通りアルコバレーノがいた。

「元気そうだなコラ」

そういいながら綱吉に挨拶がわりの蹴りを食らわすとリボーンに頭突き。

『変わった…奴だな』

「お前もそーとー変わってるぞ」

リボーンの言葉にそうかな?と首を傾ければ深く頷かれた。限りなくショックに近い。

「お前がボクサー小僧か?」

『違う、アレ』

「アレって…」

指差した方向には了平。コロネロは了平に近づいていく。そんな姿を見たあとボクは背を向け出口へと向う。もうここにいてもしょうがない。

「帰るのか?」

後ろから跳ね馬の声がしたが振り返ることはしなかった。きっと今のボクは情けない顔をしているから。

「…すまない」

多分だが今のはボクが落ち込んでいるのだと思って出した言葉なのだろう。周りの人間がマフィア関係に巻き込まれていく現状。マフィアでありマフィアを嫌うボクには耐えられないものだ。

『マフィアに同情されたくないっつーの』

「…そうか」

落ち込んだような声色に何故か笑みが零れてしまった。

『…ありがとディーノ』

「雪兎、今…!」

『だー!!勘違いすんなよ!なれ合うつもりねーから!!』

不思議だ。マフィアと話しているのに、あの跳ね馬と話しているのに苛立ちも何もない。自然に笑えてる。
そしてボクは緩む口元を手で隠しながら医院を出た。

『さてと…これからどうしよっかな…』

暇になってしまった。守護者達の修行をみて回るのもいいが気が進まない。だからといってヴァリアーに負け殺された綱吉達などもっと見たくない。

彼らの生きる為の道が例えマフィアの道しかなかろうとボクは…

『あー悲しっ』

首を振り背伸びをしていれば足に何かがすり寄っていた。ふわふわした何かに目線を向ければ小さな白い体が見える。猫だ。
しゃがみその猫を抱えるが逃げることもひっかかれることもなかった。

『お前もひとりか?』

撫でてやれば目を細める猫。

『ひとりじゃないよ』

『そうか、ボクだけか』

思わず溜め息をついてしまったボクに猫がクスッと笑った。

…笑った?

意味がわからず周りを見渡して見たが自分と猫一匹しかいないこの場にはやはり人の姿は見えない。だが猫がしゃべるわけ

『しゃべるよ』

心読まれたー!!
一度落ち着く為に猫をじっと観察した。何処にでもいそうな白い猫。しかし猫はしゃべれない。
そしてボクは望みのない名前を呼ぶ羽目になった。

『…優羽?』

猫の左目が黒から蛍光色紫へと変わる。

『雪兎はひとりじゃないよ』

何とも言えない脱力感。しかし止まるこのないこの感情は…

『おかえり!優羽!』

確かに喜びだ


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