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朝早く目覚めたボクの心はざわついていた。何をしてても落ち着かない。
いつもと違い自分でも不安定だと思うほどだ。しかしそんなことを思っていてもしょうがない。
ボクは重い足取りで中山外科医院へ向かった。





医院についたが空気は重かった。

昨日の出来事、そして己の力不足による屈辱的な結末。山本は微かに顔を歪め悔しそうに目をそらす。獄寺も綱吉の目を真っ直ぐ見ることはなく引きつった作り笑いをしていた。
誰ひとりとしてボクとも目を合わせはしない。そんな中ボクは何事もなかったかのように小さく笑っていた。

「んなことより妙なことがあってさ」

「そーなんスよ!」

妙なことと聞いた綱吉とボクは顔を見合わせて首を傾げた。顔を見合わせたのだがやはり目線はどこかへと逃げていく。
山本と獄寺はポケットから輪のようなものを指で摘むようにして取り出した。

「ポストにこんなもんが入っててさ」

「もしかして昨日の奴らがからみかと思いまして。跳ね馬にここの場所はきいてたんできました」

「そのリングってまさかっ!?」

どうやらその輪のようなものはハーフボンゴレリングらしい。スクアーロと別れたあと一晩中情報を集めていたためなんとなく状況は掴めてきた。

ボンゴレリング。初代ボンゴレファミリーの中核だった7人が証として残したもの。
ボクでも話ぐらいは聞いたことがある。しかし実物を見るのは初めてだ。

…しかしこれが本物ならば彼らはボンゴレの守護者になる。思ったよりも後継者選びの時期が早い、もしかしたら相当ボンゴレは追い詰められているのかもしれない。ボクは小さく笑う。

「つーかなんで!?なんで獄寺君と山本にも…!?」

やはり綱吉もリングを持っているようだ。綱吉は信じられないと言ったように驚愕していたがそれに答えたのは聞き覚えのある赤ん坊の声だった。

「選ばれたからだぞ」

後ろを振り返れば受け付けの窓口に座るリボーンと跳ね馬ディーノの姿があった。いつのまにこの場にいたのだろうか、思わず跳ね馬を睨めば跳ね馬は後ずさる。それを呆れたように見ていたリボーンはゆっくりと口を開いた。

「ボンゴレリングは全部で…7つあるんだ。そして7人のファミリーが持って初めて意味をもてんだからな」

「はっ!?」

「お前以外の6つのリングは次期ボンゴレボス沢田綱吉を守護するにふさわしい6名に届けられたぞ、あとは…」

『あとは?』

「いや、なんでもねー」

リボーンの言葉、ボクは違和感を覚えた。 思わずリボーンが立て続けに何かを言おうとしたこと。
"あとは…"つまりリングに関係したことがまだある。ボクは確信した。


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