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『呪われたリング…だって?』

信じられない。何いってんだこのオッサン。雪兎が呆れたようにため息を吐くが家光は至って真面目だった。優羽は少し考えたようにリングを見つめている。

「これを所持した者は皆原因不明の病で命を落とした…その数は笑えないほどに多い」

だから封印され歴代守護者にも伝わらずにここまできた。

『やはり聞いたことないね…そうとなれば噂ぐらいになるだろうに』

「関係者は皆リングに触れて死んだ…これを知っているのはボスと上層部の一部のものだけだ」

ボスといのはやはり現在でいえばボンゴレ9代目に当たる人間。しかし触れるだけで死にいたるのであればもうただの呪いでもなさそうだ。
純粋に興味がわいたのか優羽は問う。これが僕達に扱えるのかと。

だが帰って来たものは曖昧だ。

「わからない」

『はあ!?わからないってなんだよ!使えるから頼んでんじゃねーの!?』

「…でもおまえ達しかいねーんだ、わかってくれ」

『わかってくれって…』

ボク達に死ねというのか?もしこの話が真実であるならばその訳のわからない呪いでふたりとも死んでしまうかもしれない。

そんなの御免だ。ここまで苦労して生きてきたのだ、易々死んでたまるか。
そもそもこの男はマフィア、敵なのだ。頼みを聞く義理も何もない。雪兎の殺気混じりの瞳が家光を捉える。だがその殺気は消えてしまった。

『いいよ、引き受けてあげる』

え…?いったい誰がそんなこと言うんだ。

「本当か!それはよかった感謝する!」

大人が猫に頭を下げている異様な光景に絶句する雪兎だが何度も感謝を述べる家光に意識を取り戻す。

『ま、まってよ優羽!なんで!?なんでこんな奴に従うんだよ!?ボンゴレのマフィアになっちゃうんだよ!?それに…』

死ぬかもしれないのに!?しかし優羽は耳を傾けることはない。もう決めてしまったようだ。

『もちろん条件をつけさせてもらう』

そして突き付けたのは

あくまでも骸側の立場でありボンゴレの味方ではないこと。雪のリングと守護者に関係ない無益な干渉は一切しないこと。

そして…。白い猫は身軽に家光の傍により耳元で何かを告げる。少し驚いたように家光は怪訝な顔をしている雪兎をみた後頷いた。

「交渉成立だ、こちらに任せてもらおう」







家光が帰った後雪兎は不機嫌だったが優羽の考えを聞き納得したようだった。

守護者としての立場を利用しボンゴレ内部の情報を得ると同時に骸達の今後の動きも分かるようになる。

雪の守護者、そして雪のリングが今になってなぜこの場に出てきたのかも気になるところだ。

完全に信じたわけではないが死のリスクは大きい。しかしボンゴレ側にも骸という危険分子の仲間であるものを引き入れるという確かなリスクがある。

だが雪兎は何より骸達に何か手助けが出来るかもしれないということが大きかったようだ。
あの骸が霧の守護者になることを承諾したと優羽が告げた時雪兎は少し考えるそぶりを見せ「そっか」と短く答えた。

『でも最後の条件は何?』

『気になるかい?でも秘密だよ』

優羽はクスッと笑った。



"雪兎を頼む"

その願いは確かに受け入れられた


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