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オレたちは日が沈み始めたころに基地へと帰った。
みんなで肩を並べて夕焼けに包まれながら歩いてきた帰り道は全てを忘れそうになるほど幸せで、その証拠に夕食の準備を手伝っているオレの頬は今でも緩みっぱなしだ。

あんなにゆっくり夕焼けを見たのは初めてだったのかもしれない。

今思えばみんなと出会う前のオレは本当にダメな奴だった。もちろん今でもダメでみんなを巻き込んでばかり。

そして…そんなダメばかりなオレでも本当につらいと思った時期があった。

学校では勉強も運動も何をやってもダメで、何をしても笑われる。
家ではどんなに頑張っても結果のでないテストに母さんは怒鳴り嘆いた。


べつにふざけてるつもりなんてない
これでもオレは…


いつしか言い訳ばかりになっていたオレの口癖。テストという名の紙切れとオレの上辺だけの評価。


何をしても実ることはない
虚しくなるだけなんだ


挙句の果てについたあだ名はダメツナ。否定も反論もすることができなかった。

「全部無駄だったのか…?」

そう呟いてしまったオレは唯一残っていた努力すら捨てようとした。

ポツンとひとりで歩く帰り道は家に近づくにつれ足は重くなる。夕陽には怯えるように背を向け俯いたまま歩いた。
今思えばあの時のオレは本当にひとりぼっちだった。


…だけど今は真っ直ぐ向き合える


友達がいて仲間がいて、変わるきっかけをくれた彼らがいる。

もうひとりなんかじゃない

だから今度は、オレがみんなのためにがんばるんだ。勇気をくれたみんなのために。


そして…大切な人のために


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