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いつの日だったか、誰かが夢をみていた

それはとても純粋で家族を想う正義だった


だけれどもそれは酷く幼く世界を知らない子供の夢であった。


合言葉は

「ファミリーのために」


大人たちは子供を褒めた、よくできましたと子供たちを褒めた。

しかしそれも幼い夢の中の出来事で真実はこうだ。

殴る蹴るの暴力の嵐に怯える姿と影。生まれてきたことに感謝なんて到底できず深い悲しみに暮れる毎日。

彼らに未来など最初からなかった。




狭い狭いおもちゃ箱。そこにはお人形さんがいっぱいだ。


泣いているお人形さん
怒っているお人形さん
怯えているお人形さん
虚ろな目をしたお人形さん
復讐を誓うお人形さん
そして壊れて動かなくなってしまったお人形さん
その傍らで瓜二つのお人形さんが寄り添って眠る


おもちゃ箱には粉々に飛び散った夢のカケラがいっぱいで今にもあふれそうだ。


今思えばそこはおもちゃ箱ではなくてただのごみ箱だったのかもしれない


廃棄されたオトモダチだったモノに手を振りゴミ箱から飛び出した。

いろんな夢のカケラを抱いて


そこには今にも降り出しそうな黒い雲が空を覆い尽くしていた。


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