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この手にある幸せと不幸

どちらが多いかと聞かれたら僕の知る君たちは不幸と答えるのだろう

辛かった、悲しかった、寂しかった

そんな感情が強く残り続けふと蘇り心を苦しめる


彼らの何が幸せで何が不幸かなんてわからないけれど、それでも君たちは十分に幸せにみえた

辛かった、悲しかった、寂しかった

そんな感情を誰かと分かち合うことができる
だれかが傍にいることで苦しみを共有し和らげることができる

それだけで十分ではないだろうか?



でも今ではそれすらわからない

ひとりに慣れそれを当り前とし、誰かといることで違和感を感じてしまう

何が幸せだったのか、何が不幸だったのかもう何もわからない

実験で遊ばれ人外の力持ってしまったこの身体
身内を殺され、そして殺したこの手と記憶
弟に幾重にも重ねていく嘘
いまだに仲間とは呼べない彼等のこと

欲しくないのに手に入れてしまったもの
そして欲しくても手に入らないもの

僕の中で何が不幸で何が幸福と呼ぶことができるのだろう?


彼等はきっと言うのだろう、あなたは不幸だと


でも僕は迷いなく言うのだろう

「僕は幸せだ」




生きている、今はそれだけで十分だ

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