極若物語!?

□三訓、嗚呼、俺の日常
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今日も日常に変わりなし。



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三訓、嗚呼、俺の日常





――ガラリ

教室の引き戸を開く鈍い音と共に俺が姿を見せると、休み時間に溢れるザワザワとした雑談の声がピタリと止んだ。
これもいつも通りの反応で、「――っす」と小さく呟いて、出入り口一番後ろに常設された俺の席へと腰を下ろした。
今日の護衛は宗則で、宗則は俺の斜め後ろで静かに佇む。
少数の女子は宗則をおっかなびっくり伺っている。
頬が赤いことからファンなのだろう。

暫く沈黙していた教室内であったが、もう慣れた事であるのでそのうちに元のざわめきを取り戻した。
時折ちらりとこちらを見ては何かを話している女子がいる以外は接触を試みようとする物はいない。

それもいつものことで、手持ち無沙汰な俺はとりあえず二限目の古典の教科書とノートを机の上に引っ張り出した。
勿論予習も完璧だ。
それでも用意をするのには一分すら要するわけもないので、また始まるまでの五分が暇になるなと思い、少しブルーになる。
本当にこの時間がつまらない。

そんなときにいきなり、自分のすぐ近くにあるドアが勢いよくガラリと開いた。


「朗報!!
合原が会議で古典は自習だってよ」


ドアを開いた者の声に、教室に居た殆どは歓声をあげた。


「本当か、彩人!?
ガセじゃねぇだろうな」


「もち。
学年主任からのお達しだから確実」



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