極若物語!?

□五訓、新入部員は前科持ちか!?
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今日で三日目。
高性能な双眼鏡を使っての遠距離偵察とはいえ、正直拍子抜けだ。
あの七星組本部もこの程度のものか。

二代目は油断ならない奴らしいが、あいつの報告が確かなら三代目候補はそこまででは無いらしいし。
狙うはやはり若頭か……。
思うままに離れへとレンズを向けた瞬間、後頭部にゴツリと何かを押し当てられた感触がして、背を冷水が滑り降りた。


「お前か。
最近おいたをしてくれてるらしい子鼠は」


どこか楽しげな感情が込められた低い声と、押し当てられた銃口に覚悟を決めた。



拍手連載、極若物語!?
第五訓、新入部員は前科持ちか!?




「そうか。
じゃあ結局あの視線の主は宗則がとっつかまえたわけだ。
しかも余裕で」


「いや、それが宗<そう>にしては珍しく結構苦戦したみたいなんですよ」


幣原財閥主催のパーティーが二日と迫った日の帰宅時、今日の護衛役の忍から昨夜の報告を受けていた。
ここ最近妙な視線を感じると思った俺は、忍と宗則に視線の原因を調べるように命じていたわけである。
そしてその報告が先の会話、というわけだ。


「どういうことだ?
後頭部に銃口を突きつけている状態なら普通ジ・エンド、だろ?
特にそれが宗則なら」


あいつはうちきっての武闘派だから、という俺の言葉に忍は苦い顔をした。


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