極若物語!?
□七訓、若君にご用心
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視線の交錯。
お互いの瞳に映る好敵手の位置は……
拍手連載、極若物語!?
第七訓、若君にご用心!?
暫くじっと宇野の方を眺めていた俺の視線を辿ったのだろう、慧はニヤリと口元を歪めるとニヤニヤしながら主催者サイドらしく俺を連れて挨拶まわりを始めた。
一通りの挨拶まわりも終わり、一息つこうと言う俺の言に肯定を示した慧の為にボーイから飲み物を貰って手渡した。
宇野が視界に入る位置に陣取った慧は、再びニヤニヤとからかいを含んだ顔で俺の顔を見始めた。
とうとう俺は痺れを切らし、不機嫌さを露わに慧へとなるべく声を落として尋ねた。
「さっきからニヤニヤ何だよ。
幣原グループの令嬢ともあろうレディがはしたない、って各方面から嫌みが飛んでくるぞ」
「だっておかしくて」
慧の方は声量の調節をするでもなく、俺へと顔を向けながらも宇野に目をやるという器用な事をしながら理由を述べた。
「ちょっと悔しいでしょ?
あっちはモテモテなのにね。
お嬢様方はみんな宇野の若君にメロメロじゃない」
「……」
ナルホド、そういう訳かと少し呆れてしまった。
つくため息も自然とその様な色が含まれる。
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