エファーラン戦記U

□エファーラン戦記 第46話〜分析と不安〜
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「う゛〜・・・・・だるぃ〜・・・・・」

私は大きなベッドの上をごろごろしながら、あまり良い目覚めとはいえない朝を迎えた。
ここ最近の疲れが取れていないのか、まだ瞼が重く頭もぼんやりしている。

眠くないわけではないが、ベッドに入ってもなかなか熟睡できない日が続いていた。

「あら、ユイ様お目覚めですか?」
「あ゛〜・・・・レィリン・・・・ん゛〜・・・・・おはょ―――――」
「おはようございます。あまりよく眠れませんでしたか?」

ベッドの中から挨拶する私にレイリンは苦笑しつつ、カーテンを開け窓を解き放つ。
白いレースが大きくはためき、深い新緑の香りが室内に届いた。

「ん゛〜・・・・なんか最近―――――ね。ふぁ・・ぁぁ〜・・・目覚ましにシャワー浴びてくる・・・・」

寝ぼけ眼を擦りつつ、ぼんやりする頭で湯殿へ向かうと、レイリンがすぐに追いかけてくる。

「それでしたら、昨晩ミルンが良い浴水が手に入ったと申しておりました。すぐに準備しますのでお待ちください。」

そう言われたのでソファにちょこんと座り待つことにした。
ぼぉ〜と何もしないで過ごしていると、いつも同じことを考えてしまう。

(・・・この世界での、私の存在意義はなんだろう・・・)

地球に居た頃の私は、きっとそんなものなかった。
今思い返せば、ちゃんと私を見ていてくれた人が沢山いたが、私が違った。
無味な日常を過ごし、周りを鑑みることはなかった。

(恭哉がいる時だけ、私というものが存在してた・・・)


でもきっとそれは、異質なもの同士だったから―――――


地球にいる頃にはわからなかった謎が、少しずつ・・・絡まった糸を解すようにゆっくりとほどけていく。
あの無力感と疎外感、そして日常を過ごす事に対する疑問。

(あの頃は何で私は生きているんだろうって考えてたもんなぁ・・・)

死を望んだわけではないが、自分が生きている事が不思議だった。
何の目標も目的もなく、ただ無為に時間を過ごしていた。



ぼんやりと外を見ると、夜に雨が降ったのかいつも以上に朝靄が濃い。
そのせいか、より一層緑と大地、風の匂いを感じた。

(・・・・あぁ・・・この感じ好きだなぁ・・・。)

この世界に来た時の気持ちは今も変わらない。



―――――ここが私の居場所―――――



ヨシッッ!と気合いを入れると、ようやく目が覚めてくる。
その時ちょうど、レイリンが再び姿を現した。


朝からゆっくりと、サクラの香りのするお風呂に入り、私はまずは目の前の任務をこなすべく準備に入った。
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