Sideways
□「サクラサク・・・?」
1ページ/5ページ
人の肌ってあんなに真っ白になるんだなー、と思わず感心してしまうくらい、真っ白な女の子がいた。
今日は中学受験の試験日当日、だから学校は休み。
まぁでもテニス部の練習はあるから、俺はこうしていつも通り学校に向かってるわけだけど。
いつもは立海の生徒でいっぱいな駅も、今日は入試を受けに来たであろう小学生と、その親でいっぱいだった。
みんなどことなく緊張した面持ちで・・・まぁ、そりゃそうだよな。
俺が見かけた「真っ白な女の子」も、そのうちの1人だった。
駅に着くとたいていの人がすぐにホームを出て改札の方へ向かうというのに、
その女の子はフラフラとした足取りでベンチに座り込んでしまった。
その様子に気づいた駅員さんが女の子に声をかけていて・・・
俺はその様子を横目で見ながら、その場を通り過ぎようとしていた。
「ちょっと君?」
いきなり駅員さんに声を掛けられた。
「君、立海中学の生徒さんだよね?悪いんだけどこの子を学校まで連れて行ってくれないかな?」
女の子に視線を向けると、確かに顔色が悪い・・・というか、100%貧血だろってくらいの顔の女の子がこっちを見ている。
すごい顔色だな・・・入院中の幸村に匹敵するくらいだぞ。
「休んでいったほうがいいって言ったんだけど、どうしても試験会場に行かなきゃって、きかなくて・・・」
まぁ・・・こんな顔色だったらそりゃ心配にもなるよな。
行く方向は同じなワケだし、それくらいお安い御用・・・って思ってたら、女の子が急に立ち上がった。
「あのっ大丈夫ですからっ・・・」
本人はそう言ってるものの、とてもそうは見えないんですけど・・・