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□COMPACT LADY〜SeasonU〜
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「なぁ、さっきからアレ何やってんだ?」
部活の休憩中、コートのすぐそばでうずくまっている瑠璃を見つけたブン太。
小さな背中を丸めて何かゴソゴソやっている姿は普通なら目立たないところだが…
それが瑠璃なら話は別。
俺が気付かなかったとしても、レギュラーの誰かが必ず見つける。
瑠璃は普段は俺が部活している時は教室か図書室で時間を潰しているんだが、
ごくたまに校舎内とか校庭付近を散歩したりする。
俺が部活している時にテニスコートに来る事は滅多になくて、来たとしても部活が終わる頃だ。
他のメンバーもそれを分かっているから、あんな風にテニスコート付近にいるのが珍しいんだよな。
「部活。」
「いや、そうじゃなくて。」
ブン太が噛んでいるガムをパチンと鳴らした。
「いや、だから部活。」
「だ〜か〜ら、俺らじゃなくて小宮山だよ。」
どうやらブン太は俺がボケてると思っているらしい。
俺、マジで答えてるんだけど・・・