「One piece」

□・「決意」
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―「決意」―

「…コックはまた探してくれ…」
荒い呼吸を繰り返しつつ、サンジは静かに告げた。
最早気力で立っている状態だった。

ルフィーを守る。
皆を守る。
コイツを守る…。
とうに覚悟は出来ていた。
いつかこの身を捧げる時の為に。
自分の命を懸けてもおかしくない仲間に出逢ったその日から…。

だからコイツは死なせない。
大剣豪なんて凄いじゃないか。
コイツならきっとその夢を叶えるだろう。



「ぐっ…てっ…てめぇ…」
肩を掴んでいた腕が落ちて行く。
己の意識が落ちて行く。
ダメだ…。
死んだら…。

「…後生だ…。」
遠くなる意識の中でアイツの声を聞いた気がした。


我が目を疑った。
意識があるのは自分だけだと思っていた。
かなわない。
こんなにも強い男が世の中にはいるのか…
ここで俺の命も尽きるのか…
晒した命、覚悟を決めた。

けれど…
なんてこった…
死ぬなと言う男がいた。
生きろと言う男がいた。
テメェの夢は捨ておいて。


死ねないと感じた。
コイツが死ぬ覚悟なら、
俺は死なない覚悟を決める。
俺は死ねない。
死にそうな傷を負っても、俺は死んではいけない。
コイツがいるから…
いつでも命くれてやろうだなんて…
そんな奴がいるから…

俺は生き続けなければいけない。

たった一撃
ほんの一撃
崩れ落ちる身体
お前は俺が守る。

だからまだ俺は死ねない。

―背中を預けたアイツの為に―

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