空玉子

□さくらちゃん
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 天気もよく暖かな春の昼下がり。

「留三郎ぉー!」
「はーい」

 大工道具を担いだ男が庭で息子を呼んぶ。

 雪柳の陰から、アヒルのおもちゃを持った少年が飛び出してきた。

「池、作ってたの」
「そーかそーか」

 ぐしぐしと頭を撫でられ笑顔をこぼす。この少年は食満留三郎八歳。

「寺に行くんだが。一緒に行くか?」
「行くー!」




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