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□Your sanctuary
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真白い部屋だった。





レースが鈴生りになったカーテンが柔らかく日差しを遮り、白の壁紙に美しく反射した光が幻想的な、見事な洋物が並べられた部屋だった。



そして、その部屋のすべてが、部屋の中央の、やはり真白い椅子に佇む少女に集約している部屋だった。





磨き上げられた白の大理石を彷彿とさせる病的なまでに白い肌。
纏う衣は真珠のように滑らかで、その少女の濃紫の髪だけが、色を持つことを許された空間。


足を踏み入れた途端、誰もが聖域を遥拝する衆生の一部。



美しい彼女の固く閉ざされた瞼は、眠りよりも深い永久。










恐らく藍色の長い髪を一つに束ねた男だけが、躊躇いなく足を踏み入れられる世界。





(自分が一度黒に染めようとした彼女には、やはり白が似合ってしまう)




男は少女の肩に掛かる髪を掬う。




肩に触れた手が、温かさを感じることはない。




ひんやりとしたその感触だけがこの空間のリアルなのだと、この男に解させることは、不可能なのかもしれない。





 
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