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□Call my name.
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「クローム髑髏」。
これは大切な人が私に与えてくれた名前。
「凪」。
これは私を大切にしてくれなかった人が「必要だから」付けた名前。
光と影のように感じられる響きの違い。
この二つの名前の持ち主が、まさか同一人物だなんて、誰が思うだろう。
「クローム髑髏」は必要とされて
「凪」は誰も要らなかった
「凪」と「要らない」は
一緒だったの
1人になるとアイデンティティに近いものについて、考えてしまうことがある。
「クローム」の私は幸せ。
大切な人に名前を貰って、その人の為に何かすることが出来て、一緒にいてくれる人がいる。
でも、要らなかった「凪」も、今は違うの。
名前を呼んでくれる人がいる。
「クローム」より、「凪」が好きだと、言ってくれる人がいる。
「凪」で良かったと、思える自分がいる。
「凪」はいつの間にか、私の影なんかじゃ無くて、私を呼ぶあなたを照らす光になりたいと思う、願いになっていた。
(私を呼ぶ黒髪のあなたへ)