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□Fireworks of winter
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「冬の花火もいいね」



並中の屋上から、フェンスに手を掛けて、愛しい彼女が呟く。

どうやら隣町で何かイベントがあったらしく、その余興として花火が打ち上げられているらしい。


確かに悪くないとは思うが、あの花火の下に、祝祭と乱痴気騒ぎはイコールだと思っているどうしようも無い連中が叢生していると思うと、腹立たしくも思えてくる。


僕の機嫌の悪さに気付いたのか、彼女がちょっと寒いね、と静かに切り出す。


「冬は花火もいいけど、こう出来るのが好き」

ぎゅ、と冷えた体を寄せてきた。



…彼女はなんて可愛いんだろう。


「僕も冬は好きだよ」


でも花火、というよりは花火を観る為に静かな所で2人きりになれる、から。


そう言えば、顔を赤くして俯く彼女。

そのまま抱き込むと、腕の中から小さな声で私も、と聞こえてきた。


…本当に、彼女はなんて可愛いんだろう。


夏の花火は勿論良いもので、冬もまた然りだ。


だけど彼女の可愛さは一年中。季節なんて関係ない。





可愛い彼女の体が冷え切る前に、下に降りてしまおうか。


あぁ、その前に。


「せっかくの2人きりだしね」
 
 
 
 
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