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□A mysterious feeling
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今日、1人の少女を見かけた。
あまりの寒さに、人っ子1人いない日の公園で、ベンチに腰掛け本を読む、変な女子。
剥き出しの薄い腹と、短いスカート。
如何にも風紀が乱れそうな格好。
…学ランを羽織っている自分でさえ堪える寒さなのに、頭がおかしいんじゃないだろうか。
「ねぇ、君」
注意を促そうと、彼女の近くまで寄ると、英語ではないらしい外国語の発音が、ぽつりぽつりと彼女の唇から零れているのがわかった。
「勉強なら、家に帰ってからにしなよ。」
テキストと思われる雑誌を見つめる彼女の眼差しは真剣そのもので、僕の声など耳に入っていないようだった。
埒が明かない。
咬み殺してしまおうか。