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□Don't say a sad thing
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珍しく徒歩で隣町近くを歩いていた雲雀は、小さな歩道橋に佇む1人の少女に目を奪われた。



愁うような表情で歩道橋の真ん中あたりの格子に寄りかかり、川の流れを見下ろす少女。



「凪」




何してるの、こんなところで。




格子を握る彼女の手は冷たくて、長い時間外にいたのではないかと雲雀は不安になった。





「川を、見てたの」



…知ってる。



「あそこに私が落ちたら、誰か悲しんでくれるかな、って考えてた」




雲雀は目を見開いた。




「飛び降りる気は全然なかったんだけど、なんとなく」




でも、




「私の頭の中では、誰も悲しんでくれなかったの」




ドクン、という音が合図だったのか。

雲雀は言いようのない感情に支配された。


誰も悲しまない、なんてことはない。
彼女の気に食わない主君や連れ、あの草食動物たちの群れ。自分だって、もし彼女が、と思っただけで…



しかし、自分の言葉でそれを彼女に伝えきれるだろうか。




自分の喉元までこみ上げたすべての言葉がちゃちに思えて、雲雀は強く彼女を抱き締めた。





(言わないで、そんな、悲しいこと)



 
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