Br Dream

□ずっと。
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「坊ちゃん、眠れないのですか?」



月明かりに照らされたセバスチャンは、あまりにも綺麗で優しい笑みを僕に向ける。


「どうかなされましたか?」


その顔に見とれて返事をするのを忘れるほど美しくて。

「別に・・。」


そんな顔を見るといつも考えてしまう。




なぁ・・セバスチャン。

お前はいつまで僕のそばにいてくれる?
いつまで僕を守ってくれる?と。


もう二度と大切な物は失いたくない。絶対に。



『一度失ってしまった物は二度と戻る事はない。』



僕が1番分かっている。
だからずっと繋ぎとめていたいのに。

僕が死んだら、お前は他の誰かの物になってしまうのか?

そんなことを思うのは僕だけか?なんて。




「明日は朝から予定がはいっていますよ。さぁ、ゆっくり寝てください。」

「あぁ・・分かった。」




僕に布団をかけて灯りを消す。

「おやすみなさい。」

そう言ってベッドから離れていこうとするセバスチャンの服のすそを、僕は無意識のうちにつかんでいた。


「・・そばにいろ。」


可愛くない言い方、
なのに。



「仕方ないですね、坊ちゃんは」


そう言って僕の手を握ってくれた。


失わないようにその手をきつく握って僕は眠りについた。





(どこにも行くな、僕だけのそばにいろ。)

(死んでも貴方だけは離さないですよ。)

end

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