ワンダフルデイズ

□ワンダフルデイズ1
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やぼしこかげ、銀魂高校3年生。

今日わたしは長年片想いしてきた同じクラスの土方十四郎くんに告白するはずだった。

彼の下駄箱に放課後校舎裏にきてくださいという手紙を入れて準備は万端!

・・・のはずだったに。



「へぇ、やぼしって土方さんが好きだったんですねィ」



・・・なんで土方くんじゃなくて沖田くんがきたんだろう!?

下駄箱間違えてないか軽く30回くらいは確認したのに!
しかも沖田君の手にはまごうことなき私の手紙(土方君宛て)が!



「おおおおお沖田くん?!なんで・・・?!」


なんでここに?!


「いやぁたまたま土方さんの上履きに画鋲しかけてたらこんな手紙見つけてねィ。暇だから来てみたんでィ」



・・・・・



…最悪だァァァ!

なんで沖田くん?なんでよりによってサディスチック王子沖田くん?
やばいよ、明日にはもうクラス中、いや学校中にこのことが知れ渡ってしまうではないか。
(ていうか靴に画鋲って!めっちゃ痛そう!)


さぁぁとこかげが顔を青くしていると、沖田はにこ、と微笑んだ。

その笑顔はとてもかっこよかったが、ドSな彼の性格を知っているこかげは寒気が走った。



「…協力してやろうかィ?」

「…………へ?」


今なんと?聞き違いかな?



「アンタの恋路の協力してやろうかって言ってんでさァ」

「え?!!」



沖田君が私の恋を協力!?

こかげはその提案について考えをめぐらせた。

沖田くんは土方君とは幼馴染だし、委員会も部活も同じ。

沖田君が協力してくれれば、恋人まではいかないまでも土方君と少しでも仲良くなることができるかもしれない。



「ただし」



こかげは妄想を膨らませてひとりですっかり浮かれていたが、その沖田の声に現実に戻され、はっと沖田を見ると、再び顔を青くした。

なぜなら沖田の笑みが限りなく黒いものになっていたから。




「俺の恋路にやぼしが協力するんならの話だけどねィ」







*ワンダフルデイズ・一日目*




(いや、どう考えても素晴らしい日々じゃないから!
恐怖の日々だから!)







 

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