ワンダフルデイズ

□ワンダフルデイズ8
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「じゃあ沖田君、お邪魔しました」

「今度は菓子くらい用意しとけヨ」

「普通逆だろィ。いい手土産持ってこい」

「じゃあまた明日な総悟!やぼしさんもありがとう!」

「・・・・・え、あ、うん!どういたしまして!」



あれから神楽ちゃんたちが買い出しから帰ってきて勉強して
気付いたらもう外は暗くなっていて、今日はお開きということになった。

私はみんなの勉強を手伝いつつも、頭の中は近藤くんからきいた沖田君のお姉ちゃんの話でいっぱいだった。


“トシはミツバ殿が好きだったんだ。辛いこと思い出させちまった”





「・・・い、おい、やぼし」


土方君は沖田君のお姉さんのこと好きだったんだ。
好きだった、のかな?

今でも好きなんじゃないかな?

だからあんな辛そうな顔・・・


「聞けコラ」

「おぶふ!!」


いきなりクッションを顔に押し付けられた。
苦しい!助けて!


「さっきから呼んでんのに無視しやがって。やぼしのくせに生意気でさァ」

「ぷはぁっ!ちょっ、死ぬかと思った!何すんの?!」

「何言ってんでィ。死んだような顔してた奴が」

「え」



わたしは沖田君をまじまじと見つめた。沖田君は半目で私を見下ろしている。

・・・死んだような顔、してたかな?
そりゃ近藤くんの話が頭をぐるぐる回ってて
ちょっと上の空だったかもしれないけど。

いつも一緒にいる妙ちゃんにも神楽ちゃんにも気付かれなかったのに・・・

ていうか私、そういうの顔に出ない方だと思ってたんだけどな・・・。


「・・・もしかして、顔にでてた?」

「いや別に。いつも通りブサイクだったけど」

「そっか、よかった。ってオイ。」

「だけどなんかいつもと違ったからねィ」



そう言うと沖田君は真剣な表情にかわった。


「土方さんとなんかあったのか?」


また、心臓が鈍い音を立てた。











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