Huuuu
□満天の星空と、涙
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心配になった。一人にしていいのかって。
やっぱり彼はあの場所に居て、芝生に腰掛けていた。
星が沢山並ぶ、今日の夜空と混じって消えてしまいそうなくらい
小さくて細くて壊れそうな背中が見える。
「ごめんね」
「たかゆ、き」
孝之は背中であたしの気配を感じたらしく、私が呼ぶ前に口を切った。
それと同時に、彼の横へ腰掛ける。
「ここで約束したのに」
「違うよ、孝之は頑張ったもん。努力したもん。かっこよか…っ」
「ほら、泣かせちゃったし」
孝之は優しい。鼻水で汚くなるのも省みずに、自分のジャンバーで私の顔を擦る。
「予定より早く会う事になっちゃった。」
「嬉しいよ?私は」
孝之の顔を覗きながら言う。彼は私の顔を見た。そこには泣いている彼が居て、
「本当にごめ…っ」
あたしの肩に顔を埋めて小さく泣く孝之は、きっと誰よりも成長したんだと思う。
「ねえ、孝之。」
「ん…?」
「私は、また3年後にね、ここであんな事あったよねって笑って言う孝之が見えるの。」
「え…?」
「その時の孝之は、今よりもっと上手くなってて、JAPANのユニフォームが誰よりも似合ってるの!」
目をパチパチさせてから、ありがとうって微笑んだ彼と優しいキスを交わす私達は、きっと夜空に見守られてる
end.