君と過ごした3カ月

□第2週
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彼女は突然現れた。

「ヤバい、遅刻する!」

「おむすび貰ってきた!行きがけに食べて。」

「名無しさんちゃん、手荷物用意したから!今日の当番誰!?」

「ありがと、勘ちゃん、兵助君!文次、絶対怒ってるよ…
いってきます!!」

「「いってらっしゃい!」」


彼女が来てから1週間。

改めて、『名目上』兵助の姉として学園長先生に挨拶をし、正式に名無しさんちゃんとの2回目の同居生活が始まった。


多少の給料を貰うので、それを生活費として学園に収める事、豆腐を学園に卸す事等の契約を交わした。


そして、ここでの生活のルールを決めた。


「すっかり立場が逆だね。お世話になります。」と、彼女は笑う。

仕事を含め、学園から出るときは上級生と一緒。


「名無しさんちゃんの世界と違って安全な場所じゃないから。
お店との送り迎えは当番作るから従ってね。」

実際に先日危険な目に遭い、その日迎え当番の鉢屋が、「名無しさんの無事だけじゃなく、精神的衝撃を与えないように…って難易度高すぎ…」と、死にそうな顔で言っていた。


それにも動じた様子を見せず、今日も豆腐屋へと向かう。

変わらない、強い名無しさんちゃんの姿に安心感を覚えた。
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