君と過ごした3カ月
□第2週
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「ただいま。兵助君、お土産だよ。」
「おかえり、名無しさんちゃん。兵助は今お風呂だよ。」
「そうかぁ。勘ちゃん、田楽豆腐食べる?」
「俺はいらない。兵助を甘やかしちゃだめだよ!
それでなくてもこの部屋、豆腐臭いんだから。」
部屋の豆腐臭さ以外は変わらない彼女との生活。
毎日、今日の出来事とかを話せる安心感。
名無しさんちゃんがこの部屋泊まりで良かったー!
兵助、めちゃくちゃ良い仕事した!!
そんな事考えながら、話していると廊下が騒がしい。
兵助じゃない。
名無しさんちゃんは気付かない程度かもしれないけど、声が聞こえる。
『嫌だ!無理!ほら、今汗くさいし!!』
『凄い貴重なもの見てる気分だな。早く歩けよ。』
『楽しみだな!』
『飛びつくの禁止だからね!後輩の部屋荒らしちゃダメだよ!』
『心の準備が!』
『アハハ、ウケる!6年間で初めてだな。』
嫌な予感。
いや、それ以上の悪寒。
「入るぞ、名無しさんちゃん、おかえり!ただいま!!」
「ギャッ、こへ!おかえりー、長次君もいる!!」
七松先輩が飛びついた拍子に体勢を崩した名無しさんちゃんを抱きとめる。
陰に隠れて1人見えないけど、6人お揃いですか。