君と過ごした3カ月
□第2週
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「…ここ、俺の部屋だからとりあえず入れてくれません?」
呆然としていたら、戸の方から兵助の声がして我に返った。
「あ、立花先輩、七松先輩、中在家先輩、お疲れ様です。」
「…兵助。」
兵助と目が合うと、察したのか何なのか分からないけど、兵助は小さく頷いた。
「あ、兵助君、ただいま。お土産、田楽豆腐だよ。」
「ありがとう。明日も仕事でしょ?早くお風呂に入っておいで。」
珍しくしっかりとした言葉を言って、名無しさんをお風呂へと促す。
「騒がしくしてすまなかったな。」
「いいえ、先輩方。特に立花先輩、名無しさんを守って下さりありがとうございました。
積もる話もあるかと思いますが、また後日お願いします。」
有無を言わせないその言葉をニコやかに放ち、先輩方は「また明日」と口々に言って部屋を跡にした。
「珍しいね、兵助。」
「勘ちゃんもね。」
言葉は少ないが、何が言いたいか分かってしまう。
情けない顔しているよ
だろ?